浮気されて別れた元カノに復縁を迫られ、断ったら力ずくでわからされました

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力isパワー、いざとなったら実力行使♪

 僕は山田春人、大学二年生。


 急なことだけど、大学一年生から付き合っている彼女、斎藤ゆずの浮気現場を目撃してしまった。


 ゆずは僕には不釣り合いなほど可愛くて、艶やかな髪は丁寧に眉毛くらいで切り揃えられていて、目もぱっちり二重、体型も出るところは出てひっこむところはひっこんでいるモデル体型。


 街中でも一際目を引く美女だと彼氏ながら思う。


 そんな彼女が、金髪の……陽キャな先輩とホテルへ行くのを僕は見てしまった。


 確かに最近一緒にいる時間が減っていたり、デートに誘っても来てくれなかった。


 それは忙しいからだと思って何も言わなかったけど……浮気してたなんて……。


 信頼していた人に裏切られた絶望感に打ちひしがれながら、僕はゆずへの想いが急速に冷めていくのを感じ取っていた。


 それは復讐がしたいだとか、見返してやりたい、というベクトルではなく、ただ単純に興味がなくなって、どうでもいいという感覚。


 今この瞬間、僕のなかで斎藤ゆずという女性はただの同じ大学に通う女子生徒Aになった。









「別れよう」


 次の日、授業が始まる前に僕はゆずにそう告げる。


 理由なんて説明しない。


 ただ、僕とゆずの関係が終わるだけだからそんなものは必要ない。


「わかったわ」


 この人も深くは聞かずに、すんなりと了承した。


 まあ、変に理由を聞かれたりごねられたりされると面倒だから助かったよ。








 それから僕と斎藤が別れたという話は知人の間で広がり、向こうが彼氏を作ったと言う話も僕の耳に届いていた。


 友人たちからは理由を聞かれたり、すぐに彼氏ができたことから色々推測して慰められたりしたが、本当に気にしていないので大丈夫、と言っていた。


 理由に関しても、それを話して逆恨みでもされたら面倒なので言わなかった。


 もう、顔を見たことがある程度の人でしかないのだから。







 それから一ヶ月後、最近のめり込むようにハマっていたゲームをしていると家のインターホンが鳴る。


「はーい」


 宅配は頼んでいないので、なんだろう?


 生憎学生で顔がわかるインターホンのある部屋には住んでいない。


 僕は玄関の扉を何の警戒もせずに開けた。


 そして、固まった。


「え……」


 なぜなら、そこに立っていたのは浮気をした元カノだったから。


 頭の中には元カノが現れた、という驚きはなく、何故ここに? という気持ちが大きい。


 何か忘れ物でもあったのだろう。


 僕はそう結論付け、斎藤に口を開く。


「忘れ物? 取ってくるから待ってて」


「あ、いや。ちがうの!」


 気まずそうな表情をしていた斎藤が俺を止める。


「じゃあなに?」


 なんの感情も抱いていないにしても、急に遊びに来られるのは迷惑なんだけど。


「あ、あの! ……と、とにかく中に入れてくれないかな? 玄関先じゃ話しにくくて……」


 俯き加減で話す斎藤に、俺はどことなく嫌な予感に見舞われた。


「……そんな深い話、僕と斎藤さんの間にないでしょ。ここじゃダメなら帰っ……」


 かえって、と言おうとした瞬間、図ったかのようにゲリラ豪雨がアスファルトを叩く。


 見たところ防雨用品を手にしていない斎藤。


 仕方なく、家に入れることにした。


 僕に斎藤、と苗字で呼ばれたとき、彼女の表情は硬くなっていた。







「お茶」 


「……ありがとう」


 ことり、と汲んできたコップをテーブルに置く。


 そのコップを見て、昔二人でお揃いで買ったコップは無いことを確認し寂しそうな顔をする斎藤。


 ちびちびと、こちらと、部屋を観察するように飲む斎藤を見ても何も思わなかった。


「で、話って?」


 いくら興味関心がないとはいえ、いやだからこそ部屋に長居されるのは困る。


 さっさと話を聞いて、雨が上がると同時に帰ってもらおう。


「えっと……その……」


 歯切れが悪い。


 本当は傘でもなんでもあげて帰ってもらいたいが、そうするとまた次も話す可能性が生まれる。それは避けたかった。


 視線を右へ左へ動かしたあと、意を決して斎藤がこちらを見た。


「あ、あの! より、戻さない?」


「………………は?」


 想像以上に低い声が僕の口から出て、自分でびっくりした。


 それは向こうも同じなようで、驚いたような顔をしている。


「ほ、ほら! 急に別れちゃったし、距離を置いたからこそあなたの大切さを実感したというか……ね?」


 縋るような瞳。

 浮気したことがバレていないと思い、別れた後の時間を理由にこじつけるせこさ。  


 気に食わなかった。


「……無理」


 だが、それよりもこれ以上会話をして気持ちを乱されたくない思いが強かった。


 最低限の言葉で拒絶する。


「ど、どうして? 前まであんなに好きでいてくれたじゃない!」


「……」


「ねえ、なんとか言ってよ!」


「なんとか」


「っ……! ふざけてないで説明してよ!!! 

 私がこんなにお願いしてるのに、理由も説明しないで無理なんて酷い!」


 ばん! と斎藤が机を叩く。


 その拍子に手にコップがあたって倒れ、お茶が机中に広がり床に滴る。


「……あのさぁ、人の家を汚さないでよ。急に押しかけられて仕方なく家に入れてあげたのにさ」


「あ……ごめんなさい」


「……で、別れた理由だっけ? その当時聞かなかったのに今頃聞くなんて意味不明だけど、教えてあげるよ。斎藤さんが僕じゃない男とラブホに入っていくのを見たからだよ」


 それを聞いて、斎藤は絶望した表情を浮かべた。


「し、知ってたの……」


「知ってたよ。逆に気づかなかったんだね。あれだけ尽くしていた彼氏が急に別れを切り出したのに。あぁそっか、別れたあともそういう話が出回らなかったからバレてないって思ったのか」


 ……あ、ついたくさん喋ってしまった。


 興味がなくなったといえど、僕自身が自覚してないところで鬱憤は溜まっていたらしい。


「ご、ごめんなさい! あれは出来心だったの! 一年間付き合って、新しい刺激が欲しくなって……」


「君は長いこと一緒にいたら飽きて他の刺激探しちゃうような人なんだね。君と長い間楽しく過ごしている未来がもっと見えなくなったよ」


「あ……ち、違うの! あの時は先輩に言い寄られて、断れなくて……」


「僕が見た時は腰に手を回されても笑顔で談笑してたように見えたよ。それにちょっと誘われたくらいでついていっちゃう人は僕には合わないかな」


「ぅ……ぐずっ……」


 怒鳴るでもなく、ただ淡々と自分の意見を言うと斎藤は泣き出した。


 泣き止むまでは話にならなさそうなので、チラリと窓に目を向けると雨はやみ、雲の隙間から太陽が見えていた。


「……話はもうない? 雨も止んだし、そろそろ帰ってよ」


 ここでこっぴどく帰した方が、後から絡まれることもないだろう。


「……わかった。最後にトイレだけ借りていい?」


「好きにして」


 そうして僕は彼女から目線を切り、途中だったゲームをしにテレビに向き合う。


「……仕方ない。ちょっと痛いけど我慢してね」


 バチィ!!


 そこで意識は途絶えた。









「んぁ」


 目を開けると、そこは見慣れたベッドの上。


 酷い頭痛に顔を顰める。


「起きた? 良かった、死んじゃったんじゃないか不安だったの」


 隣に優しく微笑む斎藤。


「……誰にも言わないから帰ってくんない?」


「無理。私ははるとがいないと何もできないし、何も満たされない女だって知っちゃったんだもん」


「じゃあ僕がでていく」


 そう言って体を起こそうとして、がちゃ、という金属音と共に手が止まる。


「……は?」


 手首足首、そして首に錠が付けられており、俺はベッドから動けなくなっていた。


「あは、気づいた? 私ね、先輩と付き合って、最初は楽しかったの。ちょっとヤンチャだったから、知らないところに連れてってもらって、新鮮だった。でも、そのうち物足りなくなって、DVもされて……そのうちずっとはるとのことばかり考えるようになったの。はるとだったらこうしてくれた、はるとだったらああしてくれたって」


「……うるさい」


「見て? 私の髪。はるとと付き合ってた頃はツヤツヤで、よく髪のケア手伝ってくれたよね? 今じゃツヤなんてない。ぼさぼさで枝毛もたくさん。やっぱりはるとといたときが一番精神的にも肉体的にも満たされてたんだって何よりの証拠」


「だまれ!」


「私はるとがいないとダメなの。失って気づくなんて遅いし、浮気してよりを戻そうなんて都合の良いよね。でも、あなたじゃないとダメなの。私を受け入れて?」


「離せ! やめろ!」


 僕の心を占めるのは恐怖。


 一度壊された心の隙間に入り込み、支配しようとする女への恐怖だった。


「こーら、暴れないで? ほら、押さえつけちゃえば何もできないね?」


「やめろ! 斎藤!」


 二の腕に膝を乗せて腕をロックされる。


 そして斎藤は口に何かを含む。


「んむっ!?」


 突然のキス。


 いきなりの行動に俺は固まり、その隙に口内に舌が侵入、口に何か液体を流し込まれた。


「ぶはっ、斎藤じゃくて、昔みたいにゆずって呼んで? あと、それちゃーんと飲んでね」


 斎藤は俺の鼻と口を抑えつけ、嚥下するのを待つ。


「ん〜〜〜〜!」


 限界まで粘ったが、俺は耐えきれずに喉を鳴らし

 た。


「よしよし、よく飲めたね」


「むぐっ……!」


 また、キスをされる。


 今度は何かを飲ませるわけではなく、ただ俺を貪り食う乱暴なキス。


 這い回る舌を拒もうと歯を噛めば歯茎や歯を舌が愛撫し、口内から締め出そうすれば鼻を閉じられ、無理矢理開かせられる。


 長い長いキスに、俺はいつしか抵抗を諦め、されるがままになっていた。



「〜〜っぷは、んふふ……顔、とろんとしちゃってるね❤️ いいよ、可愛いよ。その調子でどんどんきもちよくなって、依存しちゃおうね?」


 強制的に味わわされる快楽に、俺の思考はまとまらなくなっていた。


 いや、それ以外にも薬が何か影響してそうだ。


「うん、さっき飲ませた媚薬も効いてきてる。……それじゃあ、本番、始めよっか。あなたを快楽に溺れさせて、生活も私に頼らなきゃできないくらいダメダメにさせて、依存させたら……私の彼氏になってくれるよね?」


 ズボンと、パンツをずらされる。


 ていこう、しなきゃ……。


 ゆずが耳元に顔を寄せる。


「……じゃあ、生でやろっか、だんなさま❤️」

 




ーーーーーー


読んでいただきありがとうございます


面白ければ評価★★★おねがいします



また、現在進行注意の他作品も読んでみてください


魔王討伐したけど最期に呪いでパーティメンバーヤンデレになった。

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浮気されて別れた元カノに復縁を迫られ、断ったら力ずくでわからされました ACSO @yukinkochan05

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