映画

【映画】グッドライアー 偽りのゲーム レビュー感想(ネタバレなし)

 非常に面白い作品でした。

 主演イアン・マッケラン。同ヘレン・ミランによる、極上の『嘘』で完成したサスペンス映画。

 物語は出会い系サイトを通じてやり取りをする老紳士ロイと未亡人ベティが実際に出会う約束をするところから始まる。タイプライターの心地良い音に合わせ監督・出演者・スタッフの紹介が行われるオープニングは非常にハイセンスで、この段階で「これは良い映画だぞ」という予感を私に感じさせた。


 そして面白くなり始めるのは始まってすぐ、ロイが「パディントン駅で帰るよ」と別れた一番最初のデート。タクシーを呼んだロイは穏やかそうな雰囲気を一転させてストリップバーへ向かうとVIP席で怪しげな男たちと会合を開く。話の内容は大金が動く詐欺の話。ロイの正体がベテラン詐欺師だったと判明するその場面から、ロイの巧妙な策略が見られる……。


 終始、イアンマッケランの演技力が光る話。老人の恋愛を描くような表の面から、金をめぐる裏切り合いの詐欺話まで二つの顔が見られる。ここまでの紹介だと複雑な話に思われるかもしれないがそんなこともなく、観客にも分かりやすい物語進行をするので見ていてストレスは非常に少ない。表現は最低限にされるが過度な制裁や、後半では銃撃を受けた頭部のワンカットも差し込まれるのでその部分だけ苦手な人には注意してもらいたい。

 しかし全体的に非常に良くできた作品で、夢中になった二時間弱の映画体験でございました。

 ネタバレを避けてご覧頂きたい傑作の一つです。(※コメント欄はネタバレ解放で。ご存知の方がいらっしゃればこの映画に関するお話をしましょう)


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