今思う幹部候補生学校の良いところ

シリーズ頭の整理


 2010年代に海上自衛隊幹部候補生学校に入校して卒業した身として、その後の部隊勤務や退職後の勤務を経験して、当時は大変であったけれど今思えばよかったなと思える部分もあったので懐古厨よろしく懐かしんでみたいと思います。


 まずは何よりも同期という仲間がいたことですね。あの環境で周りに仲間がいなかったらと思うととてもじゃないですが耐えられなかったと思います。あの厳しさは仲間の結束を促すという面もあったかもしれないので仲間がいないとそこまで厳しくはなかったかもしれませんが。幹部候補生学校での生活は大変なことがあれば周りの仲間にいかに頼るかが重要だと思います。頼るという行為自体が苦手な人ってたまにいます。というか私も実際苦手でしたしなんなら今も若干苦手です。そういう人に頼るというハードルを下げるという面も好意的に解釈すればあったかもしれません。

 次は各種イベントの豊富さです。ディズニーランドよろしくエターランドとふざけて呼んでいたこともありました。そのくらい毎日がスペシャルでした。イベントというか緊張感のある日々と言ってもいいかもしれません。定時点検の時に制服にしわがあれば呼び出されることもあり、ベッドメイキングがきれいでなければ吹き飛ばされ、共用部にモノが落ちていれば没収され呼び出されと目まぐるしい日々であったことを昨日のことのように思い出せます。思い出しすぎて若干辛い気持ちになることもありますが。ともあれこの日々も仲間がいれば乗り越えられましたしエターランドとふざけて言えば楽しいものでした。

 そして三つめは厳しいけど楽なんです。一見矛盾していることですがこれは卒業して部隊に配属されてから気づきました。幹部候補生学校での日々はある種人形劇の人形のようなものです。忙しさに追われる日々に同じような課題に取り組んでいく。そこに自らの思考を挟む余裕はあまりありません。しかし現実は違います。眼の前の課題に対して自分で解決法を考え取り組む主体性が求められます。そこに同期の絆が介在する余地は少ないです。誤魔化しのように言いましたがぶっちゃけ流れに身を任せていればこなせてしまうというか、そうせざるを得ないんです。一月先ぐらいまである程度予定が決められており、明日の準備に奔走していれば必然的にそうなってしまうんです。タイトルと違うかもしれませんが今振り返ってみると楽だったというちょっと後ろ向きないいところですね。

 ざっくり思い出せるのがこれら同期の仲間、イベントの数々、厳しいけど楽といった3つになります。他にも思い出したら随時追加更新したいと思います。

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