第11話夏休み終わり

夏休みが終わり学校が始まったが、正直めちゃくちゃ行きたくない本当に行きたくない。

でも俺は知っているここで休むと、後1日くらいを何度も繰り返し、学校に行けなくなることを中学の時に何度も経験している。

別に1日くらい良いさと言う悪魔の囁きを振り払いなんとか学校に行く。

学校では、夏休みにあったことなどをクラスメイトが楽しそうに話している。

俺はそんな話をする人はいないので、机に突っ伏して、皆の話を聞いている。

「翔夏休みどうだった 俺は色々あったぞ」

ああ こいつが居たか

「俺は普通の夏休みだったぞ 眠いからまた後でな」

寺田の話に興味はない、なぜならほとんど自慢話だからだ。

それに、俺の話はあまり聞かないからめちゃくちゃストレスだけが溜まる。

寺田は不服そうな顔をして、自分の席に戻った。

ホームルームが始まり、出席を取る。

今日は3人が休んだ、多分朝の俺と同じ気持ちなのだろう。

一年のクラスは2クラスあるのだが、もう一つの方のクラスでも何人か休んだらしく、こういう学校では長期休みの後に学校を辞める人が続出する。

俺はボッチで誰とも話していないが、クラスの人の話を盗み聞きしてクラスの事情を知っている。

これはもうクラスの人と仲が良いと言っても過言ではないだろうか?うん過言だわ俺やっぱ安定で気持ち悪いな。

自分の気持ち悪さを再認識し、改めてこんなことを考える俺はボッチなんだなーと思う。

そんなボッチできもい真面目な俺は、夏休みの課題をやってるのに家に忘れ、忘れたと言っても信じてもらえず、無駄に漢字のプリントをやる羽目になった。

学校は昼で終わり、いつも通り図書館に行きいつもの定位置で本を読む。

やっぱり本を読むのは良い、頭の中で物語を想像し、自分だけの世界が出来る。

1人の時間を楽しんでいると隣にポンッと佳華が座る。

なんか久しぶりで、心臓がどくどく鳴っている。

「翔ー 久しぶりー」

「おう久しぶり」

「翔めっちゃ焼けてる」

「海で泳いだからな お前は白いな」

「私は海に行ってないもん 夏休み翔と遊んで海に行けばよかった」

佳華も同じことを思っていたなら、ほんと勇気を出して誘えばよかったと後悔する。

「翔ってやっぱりハーフっぽいね」

「ん?ああよく言われる」

「目とか綺麗でまつ毛長いし良いなー」

「交換出来るならしてやりたいけどできないからなー」

「うざー」

2人で笑う佳華と俺のいつもの会話だ。

だがその日から佳華は図書館に1ヶ月来ることはなかった。

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