第9話変わらない俺

特に何も起きなかった1学期も今日で終わりだ。

修了式が終わり教室で夏休みの注意事項説明された。

「ネットで知り合った知らない人に着いてったり、警察の世話にならないようにな それと夏休み補習希望者は8月10日からだぞー それじゃ課題も忘れずに楽しい夏休みを過ごせ」


***


ホームルームが終わりいつものことながら図書館に行った。

俺はほとんどの課題は授業中に終わらせていたので、終わっていない課題を佳華が来るまでやろうと思い机のあるところに行き、課題をしていた。

今日佳華たちも、修了式だと言っていたので早めにくるかなーとか思っていたのだが、3時をすぎても来ない。

課題も終わり、本を読みながら来るのが遅いなーと思い時計をちらちら見る。

頭に本の内容が入ってこないし、時間が過ぎるのが遅く感じた。

6時を回り、今日はもう来ないことを悟る。

最近佳華は、放課後毎日来ており、今日が夏休み前に会える最後の日なので、どこか夏休み遊びに行こうと言ってくれるのを少し期待していた。

陰キャでコミュ障さらにヘタレまで併せ持つ俺に佳華を夏休み遊びに誘う度胸はない。

そんなバカなことを考えてる時も、もしかしたらまだ来るかもしれないなんて思っている。

あぁ 俺はいつの間にか図書館に来る目的が変わっていたのだと気づいた。

最初は姉の迎えを待つまでの暇つぶしで、その次は本を読むことになり、いつしか、佳華と話すことが目的になっていたのだ。

俺は寺田みたいに佳華を家まで送ったことはないので家も知らないし、まだ佳華はスマホも持っていないので、夏休み中に遊びには誘えない。

こんなことなら勇気を出して夏休み遊びに行こうと誘えば良かったなんて今更思う。

入学式の時も先輩の時も今回もそうだが俺は、後になってから後悔をする。

多分俺は、この後悔を知ってもまた、後悔をする選択をするのだろう。

変われるものなら、変わりたいだがそう簡単に変われるものではない。

スマホがなり、姉の迎えを知らせる今日はもう佳華と会えない。

今までと変わらないバカな俺はいつもの夏休みを過ごすのだった。

あの時あの選択を変えることが出来たのなら


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