知らない彼
【>>5で俺は変わろうと思う 避難所】
1:名前:恋する名無しさん
立てた
2:名前:恋する名無しさん
ついに本人不在なのに建っちゃったよ
3:名前:恋する名無しさん
まあ良いんじゃない
4:名前:恋する名無しさん
正直かなり心配だし
5:名前:恋する名無しさん
かといってどうすれば良いのかも分からんし
6:名前:1(本物)
ごめん心配かけて 俺、帰ってきました
7:名前:恋する名無しさん
こういう変なヤツも出てくるし
8:名前:恋する名無しさん
どうなったの? イッチさん
9:名前:1(本物)
とりあえず家族とはうまくいったよ 髪色5色で妥協してもらった
10:名前:恋する名無しさん
色半分にしたら許してもらえると思ってたんだ
11:名前:恋する名無しさん
きっちり四捨五入してんの草
12:名前:恋する名無しさん
9色から5色か…… 何色が残ったの?
13:名前:1(本物)
アイボリーブラック
ランプブラック
鉄黒
塗烏
漆黒色
14:名前:恋する名無しさん
全部黒じゃねーか
15:名前:恋する名無しさん
ふざけんなww
16:名前:恋する名無しさん
俺今度から自分の髪色の事 †濡れ烏† って言おうかな
17:名前:恋する名無しさん
だっさ
18:名前:1(本物)
むなしい
19:名前:恋する名無しさん
おい最後までやり遂げろ
20:名前:恋する名無しさん
お前が1なんだろ?
21:名前:1(本物)
よーーーーし んじゃ安価いっちゃうか!
22:名前:恋する名無しさん
おー来た来た来た
23:名前:恋する名無しさん
何する?
24:名前:1(本物)
>>30 が俺の晩御飯
25:名前:恋する名無しさん
良いね
26:名前:恋する名無しさん
ちょっと弱いけど
27:名前:恋する名無しさん
えーと チャーハン
28:名前:恋する名無しさん
カレーかな
29:名前:恋する名無しさん
んじゃ鍋で
30:名前:恋する名無しさん
水
31:名前:恋する名無しさん
寿司
32:名前:恋する名無しさん
お前の晩御飯 水らしいぞ
33:名前:恋する名無しさん
草
34:名前:恋する名無しさん
飲み物じゃねーか
35:名前:1(本物)
ふざけんなwww
36:名前:1(本物)
水なんて全部味一緒だろwww
37:名前:恋する名無しさん
ん?
38:名前:恋する名無しさん
おい
39:名前:恋する名無しさん
イッチはそんなこといわない
40:名前:恋する名無しさん
あーあ……
41:名前:恋する名無しさん
イッチの趣味忘れたのか?
42:名前:1(本物)
あ
43:名前:恋する名無しさん
はぁ……
44:名前:恋する名無しさん
もう落とそう 虚しいだけだ
45:名前:恋する名無しさん
だなぁ
☆
「帰ってこない」
合鍵を使用し、一兄の家に入った。
それでしばらくたったけれど、一向に彼は戻ってこない。
……またどこか寄っているの?
「……」
リビングを見渡す。
そこには、明らかに怪しい黒い部屋。
でも私は分かる妹だから。そこを覗くような真似はしない。
きっとそこには一兄が恥ずかしがるものがあるはずだ。
……ならもっと、一目に付かない場所に置きなさいよね。
《――「とーまちはもう、君の知ってるとーまちじゃない」――》
あのギャルの人に言われた事が、痛いほどに蘇る。
「……っ!」
顔を上げれば、変わりに変わったリビング。
謎のアリの巣に使い古したコーヒーメーカー。
キッチンのあちこちには大量のスパイス。
《――「こんなに広くても意味ないよ……」――》
そう苦笑いの顔で言っていた、引っ越し当初の彼。
けれど、今は余すことなくこの部屋を使っている。
散らかしているわけじゃない。
綺麗に片付けてあって、かつ場所が埋まっている。
確かな目的があって、このスペースを活用している。
例えば、本が全て本棚に収納されていたり。
例えば、テーブルを彩る折り紙だったり。
……この大量の天然水は……?
「いや……私何やってるのよ……」
気付けば、天然水が取り囲んでいる兄の寝室まで来ていた。
大量の本棚に使い古した勉強机。クローゼット。
……ふわりと匂う、淡いシトラス。大人の香り――
《――「リオはとーまちの事、大好きだよ」――》
思わず、そのベッドに目が行って。
「……なっ、ないない! ないでしょうね……?」
目を背ける。
あの“大好き”というのが、友達という意味なのは分かる。
でも、もしかしたら。この部屋に連れ込んだりしちゃったりして。
「……」
そして、思わずベッドを探る。
駄目だと分かっていても止められない。
きっと今の私は、どうかしている。
――ガチャッ
「!!」
そんな私を覚まさせる様に、遠くからの音。
玄関、開かれる扉。
客観的に今の自分を見る。
兄の寝室で、ベッドの上。
この間取りは1LDK。
なんなら、扉も空いている。
“丸見え”。
「――ッ」
もう間に合わない。
だから、思わず私はベッドの上の掛け布団を被った。
……いやいや。何やってるのよ自分は! これじゃ自分で自分を追い込んでるじゃない! 疲れて寝ようとしたらどうするの!?
「――ふぅ。ただいま……?」
リビング、入って来た兄がそう独り言を零す。
「気のせいか……」
気のせいじゃないわよ!
でも、そう言うわけにはいかない。
律儀に手洗いとうがいをして、彼はこの寝室に来る。
「……クラブじゃあんまり踊れなかったしな……まだ20時だし……」
え?
「ちょっと踊っとくか」
ズズズとマットの様なものを持ってきて、音楽を流す兄。
分からないけど、地面を擦るような音で身体を動かしているのが分かる。
ベッドに潜る私の横で踊り始める兄。
「――ッッ、MAX!!」
ノリノリで動いているであろう兄。
もはや、気付いてほしかった。
こっちだけ変に気まずい思いをしている。
「決まった、か……」
……。
「よいしょ……」
一通り踊って満足したのか、ズズズとマットを仕舞う兄。
「……」
「……」
静寂。
先ほどの落差。
息を殺しながらそこに潜んで。
「ははっ……やっぱり寂しいな」
呟く兄。
乾いた笑いと一緒に。
《――「本、よんでるから」――》
布団から出ようか迷った。
そのか細い声は、昔と同じだったから。
でも……流石にこの状況では無理よ。
「昔の俺が見たら卒倒するな、このスマホ画面」
彼の呟き。
そして、携帯のフリック音。
それが続いた後――
――プルルルル!
『もしもしー! いちにーのおでんわですか!』
横、携帯の通話口。
元気なその声が聞こえたのだった。
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