迫りくる
500:名前:恋する名無しさん
うーん俺は反対だな そういうのって隠しててもバレるし
501:名前:恋する名無しさん
特に親なんてなおさらw
502:名前:恋する名無しさん
そうか? ぶっちゃけバレないと思うけど
503:名前:恋する名無しさん
実際イッチは学業は真面目なんだろ、一位だし
だったら髪の色ぐらい隠してもいいって
504:名前:恋する名無しさん
変に親から勘繰られたらアレだしなぁ
誰だって秘密はあるもんだ そんなに真面目にならなくて良いって
505:名前:恋する名無しさん
でも、もし隠してたのがばれたらヤバくない?
そもそもあーいう一日だけ~みたいな染料はすぐ落ちるぞ
子供の時やったわ
クレヨンで黒のやつなぞったら下から虹色が出てくるやつ(懐古)
506:名前:恋する名無しさん
最近のは凄いらしいゾ 意外と濡れたぐらいじゃ全然
専用のシャンプー使わないと落ちないやつとかも
507:名前:恋する名無しさん
うーん……正直に話した方が良いと思うけどなぁ
イッチは別にぐれてる訳じゃねーし
508:名前:1
皆ありがとう 迷います
509:名前:恋する名無しさん
賛否両論やね 黒染は
510:名前:恋する名無しさん
髪虹色になった事ないからわかんない
511:名前:恋する名無しさん
誰か、学生時代に髪虹色に染めて親バレした事ある人いませんか!
512:名前:恋する名無しさん
全人類の何%が当てはまるんだよその条件
□
昼休み。
半額という“『壁』”を乗り越えたコンビニ菓子パン(60%オフ)を食べ終えて。
「まっず」
ため息。
結局、住民の意見は割れていた。
それはそうだ。俺だっていまだに悩んでいる。
親に隠す……そう言ってしまうとかなり悪い事のように思えるし。
親に心配させない為……綺麗に言えばそうなるか。
かといって隠していた事がバレたら……うーん。
「難しいなぁ……まっず」
こんな悩み、こんな俺がするなんて予想出来ただろうか。
自分がそうなら、家族だってそう思わないに決まっている。
だったら、別に隠して過ごしても……分かっているけれど。
自分の中の何かが、未だにそれをよく思ってくれない。
……堂々巡りだ。きっと最後まで答えは出ないだろう。
「ううん……まっず」
その答えは決まらないが。
一度、この混雑した思考を空っぽにする事にした。
そう。今無くなった菓子パンの袋の様にね(激寒)。
「——あ! 一君!」
「どーも」
「ど、どうも(陰)」
と思ったら現れる二人。
そういえばココで食べてたね。
「ご飯ですか?」
「うん、もう終わったけどね」
「はや」
「早いです!」
目を丸くする二人。
そりゃまあ、一人で食べてるからね(笑)。
「こんな1人用ベンチあったんだ。知らなかった」
「はは」
「です!」
俺しか使ってるとこ見たことないからね(笑)。
泣いてないよ(笑)。
「じゃ、俺は図書室行くね(号泣)」
「がんばって下さい!」
「また自習? 凄いねー」
……なんせ、先週は色々あってほぼ勉強出来ていないので。
土日も忙しかったし。
取り戻さないとヤバイのだ!
「…………」
と思ったら、顔を上げて俺の髪色をジッと見る詩織さん。
マジで背の低い子ってデフォルトで上目使いになるの凶器ですね。
よく見ると瞳も大きいから余計に破壊力が。
何が言いたいかと言えば、とっても可愛いということ。
なあ詩織さん……今日も綺麗な尻尾だね(幻覚)。
「な、なにかな」
んでなんで今更じっと俺の髪を見てるんだ?
勝手に色増えた? そんな訳無いか。
増えても気づけないぐらい色増えてますけれどもね(九色)。
「……黒……」
えっマジで増えた?
定期的に美容院には通ってるから、よく言われるプリン状態にはなってない。
脱色してるから、色落ちしても黒じゃないし。
「……一君って
「え? ああうん」
って、そういうことか。
前の髪色の事ね。
……なんで今?
「で、ですよね! ごめんなさい、何でもないです」
「い、いえいえ……」
ホッと息を付く詩織さん。
安心するような彼女の表情。
分からないけど、今日も俺の髪は綺麗ってことね(ナルシスト)。
☆
☆
7月上旬、“日本”の某ホテル16時。
3人の家族が、出発の準備を整えた所。
“茶髪”の少女が、心配そうにまた茶髪の女性を見ている。
「……ホントに今日行くのママ? 予定来週よ?」
「もちろん! 突然行ってびっくりさせちゃおかなって!」
「花さんが言うのなら従うしかない、まさか飛行機のキャンセルが出てたとは一も予想してないだろうな」
「連絡もなしで?」
「なんか乙女センサーが反応してる。きっと一、何か隠してる」
「母さんが言うならそうなんだろう」
「乙女って。もうすぐフォーティーズ(40代)で——」
「……」
「あ」
「頼むよ二奈……」
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