理由なんて、分からない



590:名前:1

皆ありがとう 死んでないです


591:名前:恋する名無しさん

勧誘来た? 


592:名前:恋する名無しさん

とりあえずヒンディー語で話してみようぜ

いっち話せるって言ってたもんな


593:名前:1

いや来てないって!

あとまだまだ実用には至っておりません


594:名前:恋する名無しさん

変な電話か期待したのに


595:名前:1

普通来ないだろ……そもそも俺の連絡先は両親と兄弟ぐらいだし


596:名前:恋する名無しさん

あっ


597:名前:恋する名無しさん

ごめんなさい


598:名前:1

それが普通じゃないの(白目)


599:名前:恋する名無しさん

すまん“勝った”わ……


俺のLIMEには大量の“友達”居るから


600:名前:恋する名無しさん

どうせニュースアカウントと店の公式アカウントだろ


601:名前:恋する名無しさん

なぜバレた(絶命)


602:名前:恋する名無しさん

もう傷エグるのやめよ……(瀕死)


603:名前:恋する名無しさん

結局1は何だったんだ?


604:名前:1

あ 実は、言ってた友達と話が出来たんだ


605:名前:恋する名無しさん

良かったね~ 成果は?


606:名前:1

……


607:名前:恋する名無しさん

え?


608:名前:1

めちゃくちゃ恥ずかしい事言っちゃったんだわ……


609:名前:恋する名無しさん

おっ 面白くなってきたな(ヌッ)


610:名前:恋する名無しさん

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?

何言ったの? 何言ったの? 何言ったの?


611:名前:恋する名無しさん

吐けば楽になるぞ(満面の笑み)


612:名前:1

……いや、『もっと君の事知りたい』とか『もっと仲良くなりたい』とか


613:名前:恋する名無しさん

え、そのまま? 原文まんま? ま?


614:名前:1

うん 気付いたら口からぽろっと

後からめちゃくちゃ恥ずかしくなったけど コレやっぱマズいかな


615:名前:恋する名無しさん

うわ


616:名前:恋する名無しさん

告白かよw


617:名前:恋する名無しさん

急に友達からそう言われたら引くね


618:名前:恋する名無しさん

やっべーな どっちか一つとかなら良いけど 両方はヤバい


619:名前:恋する名無しさん

暴走しちゃったかぁ…… 

ご愁傷様です


620:名前:1

あああああああああああああああああああああああ!!


621:名前:恋する名無しさん

大丈夫だぞ ここなら好きに発狂していい


622:名前:恋する名無しさん

うわ~ やっちまったなぁ……

実際ぼっちやってると人との距離感分かんなくなっちゃうもんな(冷静な分析)


623:名前:恋する名無しさん

ちょっと重すぎるねぇ


624:名前:1

あbぁ 


625:名前:恋する名無しさん

あっ死んだ……


626:名前:恋する名無しさん

どうか安らかに


627:名前:恋する名無しさん

ほんと楽しませてくれるね


628:名前:恋する名無しさん

1の友達だったもの「ごめん、ちょっと重すぎ……」


629:名前:恋する名無しさん

そうだったら流石に慰めてやるか


630:名前:1

ありがとう

やっぱお前らが居てよかった


631:名前:恋する名無しさん

うわっ重……


632:名前:恋する名無しさん

キツイキツイ


633:名前:恋する名無しさん

そういうとこだぞ


634:名前:恋する名無しさん

くっさ


635:名前:恋する名無しさん

臭い1が居るのはこのスレですか?


636:名前:1

泣いて良いかな











 マンションの一室。

親は遅くまで帰ってこない、だから家にはわたし一人。


……その状況が、今はとても助かった。



「すんごい顔、してるなぁ……」



手洗いうがいのために洗面台へ。

そこで自分の顔を改めて見る。


頬が熱くて。

目はうるんでいて。

口は――油断するとすぐニヤけてしまう。


全てがちぐはぐで、決して人に見せられない――親友である、あやのんにもダメ。




《――「……俺、初音さんともっと仲良くなりたい」――》


……ああ。


《――「もっと初音さんの事を教えてほしい」――》


……ダメだ。


《――「初音さんは、入学して初めて出来た友達だから」――》


……止まらない。



「ううっ」



頬が紅くなる。

視界がにじんでいく。

口元が、緩んで――


「……う、うわぁ。ドン引きだよ」


そう言葉にして吐き出すけれど、一向に治まらない。


……そんなに嬉しいんだ、わたし。

彼の言葉が。


「……」



髪は虹色で、映画のチョイスも謎で、いつもオドオドしてるのに。

そんな――変なクラスメイトだと思っていたのに。


逆に今わたしが、すっごく変になってしまった。


これは、“ただの友達”に見せられる顔じゃない。



「……全部、勘違いだったんだ」



思えば、最初から。

あの時。

二人で映画を見て、ご飯を食べた時だって。


ずっと彼は――わたしを真っ直ぐ見ていた。


あやのんなんて関係なく。

『初音桃』というわたしと、話していたはずなのに。



《――「間違いないから。それだけは」――》



月に照らされた帰り道。

虹色に輝いた彼。

間違いなくそれを言っていたはずなのに。


ずっと彼と話せなくて、嫉妬に近い感情で暴走して、勘違いしてもっと暴走して。



――謝らなきゃ。

わたし、頭が真っ白になって。何も話せなかった。

嫌われちゃうかもしれない。嫌われたくない。


一刻も早く謝ろう。

番号が書かれた彼のメモもポケットにあるし。


でも一度シャワーを浴びてから……。

汗をかいた身体で彼と話すのが嫌だった。



「っ――」



――理由なんて、分からない。

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