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2023年10月4日 15:46
初めまして。この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。一万字ほど拝読致しました。七人もの人物を主役にした作品ということで、中々に類をみない試みだと思いました。そのうえで、それぞれの人物の無個性化を脱却しており、生き生きとした筆致で物語が書き進められていたように見受けられます。その熱量と努力には頭が下がるばかりです。物語としても独創性があり、とりわけ幕間のように語り手を登場させる構成は興味深かったです。作者様の気持ちのこもった意欲作だったように思います。反面、いくつか課題が残ることも確かです。大まかには二つ。一つは、一場面で登場する人物が多いことです。七人もの主役なので当然ともいえますが、人物たちの動きが渋滞を起こしていました。そのために序盤で、それぞれの人物の性格や人となりを把握することが儘なりません。なので、まずは先に語り手にこれから起こる出来事を説明させることが重要になるかと。どんな人物が、どんなことのために、なにをするのか。この三点を掻い摘んで、具体的に記してください。そうすれば序盤で読者が躓くということは減ると思います。もう一つは、話の進め方について。これは前の内容とも関連しますが、本作は全体的に作者主体で、読者を置いてけぼりにしている色が強いです。原因としては、作品への思い入れの違いが挙げられます。創作物全般にいえることですが、作品への愛着や熱量には、作り手と受け手の間で大きな隔たりがあります。受け手は作品への愛着はおろか、はじめは興味すらない場合も珍しくありません。そうした中で作り手が作品の魅力を次々と語ろうとも、受け手にはまったく響きません。むしろ逆効果です。では、どうすればいいのか。順序立てて、感情移入させることが大切です。「どんな人物がいて、どんな境遇で、なにを想いながら生きているのか」そうしたことを順に明かし、作品や登場人物に深みを演出します。そのうえで本作の序盤の話をもってきましょう。きっと見え方が変わるはずです。読者目線では「よくわからない人物たちが試験を受けている」から「それぞれが自分や身内、目指すもののために奮闘している」と。好きな場面を書くだけでなく、その動機や背景も書くことが大切です。一人で先頭を走らず、読者と二人三脚で進んでいくイメージの下、作品を書き進めていただければ幸いです。以上になります。創作活動のヒントにつながったのなら、なによりです。
作者からの返信
丁寧なコメントありがとうございます。人物たちの動きをわかりやすく、語り手の言葉の中に彼らの思いを書いていく……そんなふうに書き直しをしてみようと思います。実は、この作品のコンセプトの一つに『過去』があります。彼らの抱える過去や思いに関しては作品が進むと同時に明らかになっていくように、つまり彼らが共に過ごしていって、重い話ができるぐらいの仲になったとき、そのときに彼らに『過去』について思い出しもらったり、話してもらったりしてほしいと考えているんです。なので、試験のシーンの前に持ってくるのは実は少し抵抗がありまして……どうしたらいいでしょうか。アドバイスお待ちしています。
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
一万字ほど拝読致しました。
七人もの人物を主役にした作品ということで、中々に類をみない試みだと思いました。そのうえで、それぞれの人物の無個性化を脱却しており、生き生きとした筆致で物語が書き進められていたように見受けられます。その熱量と努力には頭が下がるばかりです。物語としても独創性があり、とりわけ幕間のように語り手を登場させる構成は興味深かったです。作者様の気持ちのこもった意欲作だったように思います。
反面、いくつか課題が残ることも確かです。大まかには二つ。
一つは、一場面で登場する人物が多いことです。七人もの主役なので当然ともいえますが、人物たちの動きが渋滞を起こしていました。そのために序盤で、それぞれの人物の性格や人となりを把握することが儘なりません。なので、まずは先に語り手にこれから起こる出来事を説明させることが重要になるかと。どんな人物が、どんなことのために、なにをするのか。この三点を掻い摘んで、具体的に記してください。そうすれば序盤で読者が躓くということは減ると思います。
もう一つは、話の進め方について。これは前の内容とも関連しますが、本作は全体的に作者主体で、読者を置いてけぼりにしている色が強いです。原因としては、作品への思い入れの違いが挙げられます。創作物全般にいえることですが、作品への愛着や熱量には、作り手と受け手の間で大きな隔たりがあります。受け手は作品への愛着はおろか、はじめは興味すらない場合も珍しくありません。そうした中で作り手が作品の魅力を次々と語ろうとも、受け手にはまったく響きません。むしろ逆効果です。では、どうすればいいのか。順序立てて、感情移入させることが大切です。「どんな人物がいて、どんな境遇で、なにを想いながら生きているのか」そうしたことを順に明かし、作品や登場人物に深みを演出します。
そのうえで本作の序盤の話をもってきましょう。きっと見え方が変わるはずです。読者目線では「よくわからない人物たちが試験を受けている」から「それぞれが自分や身内、目指すもののために奮闘している」と。好きな場面を書くだけでなく、その動機や背景も書くことが大切です。一人で先頭を走らず、読者と二人三脚で進んでいくイメージの下、作品を書き進めていただければ幸いです。
以上になります。
創作活動のヒントにつながったのなら、なによりです。
作者からの返信
丁寧なコメントありがとうございます。
人物たちの動きをわかりやすく、語り手の言葉の中に彼らの思いを書いていく……そんなふうに書き直しをしてみようと思います。
実は、この作品のコンセプトの一つに『過去』があります。
彼らの抱える過去や思いに関しては作品が進むと同時に明らかになっていくように、つまり彼らが共に過ごしていって、重い話ができるぐらいの仲になったとき、そのときに彼らに『過去』について思い出しもらったり、話してもらったりしてほしいと考えているんです。
なので、試験のシーンの前に持ってくるのは実は少し抵抗がありまして……
どうしたらいいでしょうか。
アドバイスお待ちしています。