第13話
「蓮宮さん、ありがとうございます」
服のサイズは、蓮宮の物でぴったりだった。二人並んでみると、体格はよく似ていた。
「食事をどうぞ。コンビニのサンドウィッチとコーヒーだけど」
「ありがとうございます。いただきます」
蓮宮も片岡に並んで、一緒に食べ始めた。
「彼らは眠ったままだけど、どういう状況かしら?」
蓮宮が聞くと、
「今はまだ、眠らせているのですが、宮沢さんと秋山さんは機械化された身体に不具合があり、それを調整しました。上半身は生身のままなので、機械の身体との融合が上手くいっていなかったようです。彼らが目覚めてからも、その後の経過観察が必要です。篠原教授は、身体のほとんどの臓器が、病に侵されている状態でした。それで、仮死状態にして、病気の進行を止めていたようです。もうすでに、回復の余地はないとのことで、金光教授は、篠原教授のすべての臓器を機械へと置換しました。幸い、このラボにはその材料はそろっていたので、大して時間はかかりませんでした」
片岡の説明を聞いた蓮宮は、
「あら、それじゃ、みんな人造人間になったのね」
とさらりと言った。
その時、金光教授の電話が鳴った。
「片岡です。金光教授は、只今、就寝中です」
その電話に、片岡が出て、応答した。
「はい。了解しました。お伝えします」
片岡はそう言って、電話を切った。
「
それを聞いた面々から、どよめきが生まれた。
「さっそく、話しを聞きたいが、今はまだ九州にいるんだよな?」
五十嵐が聞くと、
「はい」
片岡は短い返事をした。刑事たちの気は急いているようだが、仕方のない事だった。
「教授が起きたら、彼らを目覚めさせます。彼らからも話が聞けるでしょう。教授が寝てから、どれくらい経ちましたか?」
片岡が聞くと、
「そろそろ、六時間ほどになるわね」
蓮宮が答えた。
「それなら、あと一時間ほどで起きると思います」
片岡が言ったとおり、金光教授は一時間後に目を覚ました。
「腹が減ったな」
金光の最初の一言がこれだった。
「はいどうぞ。おにぎりです」
片岡が、金光の好きなおにぎりの具材を知っていたので、それをコンビニで買ってきた。
「おお、気が利くな」
「刑事さんが買ってきてくれました」
「それは、すまないね。ありがとう」
お礼を言うと、金光はおにぎりに食らいついた。
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