第7話
病院に着いて入院の手続きを済ませ、私は入院棟の中に入る。白い壁に色々な掲示物などがあり、色々な資料に目を通しながら入院棟の中にあるナースステーションまでゆっくりと進み、ナースステーションの受付で色々な説明を受ける。最初に身長と体重を測る。身長は変わらないが、体重は筋肉が落ちたせいで少し減っている。私自身も肩の幅や足の筋肉が落ちたと思う。やはり以前のようにバスケができないので動く機会も減ったし、トレーニングすらもできない体だから筋肉もスポーツをしていない人くらいだ。
病室に到着すると窓側の大部屋で外の景色が見える。すごくラッキーだと思った。部屋に着き数分後、担当の医者と看護師が来て挨拶をした。
「桐崎さーん。こんにちは。」
「あ!この間の!」
私は以前の診察で担当してくれた医者の顔を覚えていた。
「うふふ。そうです。今回担当させて頂く医師の
檜山さんは少し小柄で大きな黒縁メガネをかけている。そして見た目は若いが実は45歳だと言う。
「今回担当させて頂く看護師の
浅山さんはものすごく綺麗で看護服を着た天使とはこういう人なのかっていうのがわかるくらいとても綺麗な人だった。
檜山先生は挨拶をしたあと他に患者を待たせているということでささっとどこかへ行ってしまった。そのあと浅山さんが私の血液検査と血圧検査をしてくれた。
怒涛の午前が終わり、お昼ご飯が配膳された。白ご飯、野菜のコンソメスープ、オムレツだった。病院食ってまずいだろうなと思っていたけれどこれがまたすごく美味しく、驚いた。出汁も効いていて優しい味がする。私は笑みをこぼした。
そのあと病院内にある売店に行こうとした。
足にも痛みがあり、早くは歩けない。私はゆっくりと歩いた。私もう歩くことすら全然できないんだ……。やっとの思いで売店に着き、水とお菓子を買った。よく見ると体に管がいっぱい着いている人、車椅子で動く人、松葉杖をつく人など病人がいっぱいいる。病室に着き私はベットに寝転がりゴロゴロとし、少し仮眠を取った。その夢で蓮が現れた。蓮は泣いていた。だけど私は蓮の元へ
行ってもすり抜け通るだけで蓮に触れられない。ハッと目が覚めると窓を見るともう夕方で私は冷や汗をかいていた。蓮のことはもう忘れなきゃ。スマホを見るとそこには蓮からの連絡が何十件も入っていた。「元気にしてる?」とか「既読つけてや!」などいっぱいあった。そして「会いたい」というメッセージに私は涙を流してしまった。いくら泣いても涙が枯れることはなかった。
蓮……もう私達会えないんだよ……と心の中で思いスマホの電源を落とした。
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