第2話

最近朝起きると体が痛くて、手足に力が入りにくい。今日は一段とひどくて女バスのグループLINEと監督のLINEに練習を休むことを伝えベットで横になる。なぜだろう……今までこんなに体調が悪かったことはなかった。だけど春からちょくちょく体調を崩し始めて夏休みは風邪をひいたのと嘔吐が止まらず吐いてしまい、夏休みは休部していて段々と体調は良くなっていたはずなのに……。







翌日私は元女バスの桜田 瑠久さくらだ るくの車を待っていた。理由は1つ病院で診察してもらうため。私は1人暮しをしていて車も持ってないし、病院までは遠いので車持ちの子に乗せてもらおうと考えた。昨日LINEでお願いしたところ瑠久に許可をもらえたので病院に行ける。しばらく家の前で待っていると白い車の窓から顔をだした瑠久がいた。「おまたせ!乗って!」と笑いながら言った。私は車のドアを開き、助手席に乗った。瑠久が紙パックのりんごジュースをくれて私はさっそく紙パックについているストローを取り出し、飲み口のところにストローを刺してジュースを飲んだ。甘くて優しい味が口の中に広がり、私と瑠久は病院に着くまでたわいもない話をした。

「じゃあ行ってくるね!」

「どっかドライブしてくるから終わったら連絡お願いな〜」

と瑠久に手を振り私は病院に1歩踏み入った。

消毒液と病院の独特の匂いが鼻をくすぐる。

今日はMRI検査に血液検査。受付を済ませると看護師に呼ばれ今日の流れの説明を受ける。そのあとまず最初に血液検査をする。正直言うと私は注射が苦手。だから注射するとき私は違うところに目を向け看護師の終わりの合図とともに目線をもどした。そのあとにMRI室に入り、頭部の撮影をした。音波などで撮影するため音がうるさく耳栓をしていてもうるさい。15分後撮影が終わり受付で会計を済ませ、次回の予約の説明を受け、瑠久に連絡を入れた。

ふと横を見るとそこには出産を終えた女の人とその旦那がいて女の人の手の中には赤ちゃんがいた。2人とも幸せそうに笑いあっていた。私も将来こんな幸せな家庭を築きたいなと思った。

蓮と……って何考えてんの!私!赤くなった顔をパタパタと手のひらで冷ました。

蓮なにしてるかな……私は瑠久の迎えを待っている間にそんなことをぼんやりと考えていた。







願えば願うほどその願いごとは叶わなくなる。



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