第7話 ぶっ飛んでんな

そもそも何故カノンはエロゲを趣味にしているのだろうか。

俺は考えながらカノンと由依を見る。

由依とカノンは笑顔でお菓子を作っていた。

結局お菓子を作る事にしたのだが。


「お菓子って何を作るんだ?」


「内緒」


「秘密だよー」


その様な感じで教えてくれない。

俺は苦笑しながらそのままソファに腰掛けた。

それからカノンと由依を見守る。

嬉しそうにしながら笑顔を浮かべつつ手先を動かしている。


「.....今までなら有り得なかったな。全部アレのお陰なのかどうか知らないけど。.....良かったと言えるのかもな」


俺は考えながら笑みを浮かべる。

それからスマホを見る。

そしてテレビを点けてみる。

取り敢えずはユートべでも観るか。

そう考えながら。


「アキ。何か新しいアニメの映画が出来るらしいよ。予告編があるんじゃ無いかな」


「.....え?マジに?じゃあ観てみるか」


「そうだね。この角度なら観れるからねぇ」


「そうだな」


そして俺はアニメの劇場版の予告を見る。

それから、ウォ。スッゲェ迫力、と言いながら目を輝かせる。

今度観に行こうかな.....好きなアニメだし。

考えながら居ると。


「このアニメ映画良いね」


「お前はエロゲばかりだけど。これも良いだろ?」


「そうだね。確かに」


そんな感じで会話をしながら俺を見てくるカノン。

俺は盛大に溜息を吐きながら背後を見たまま話してみる。

にしても、と言いながら。


「お前さんさ。マジに2年前から何でエロゲ趣味にしたんだよ」


「エロゲを趣味したのは.....エロゲとかに笑わされて救われたから。あと.....お兄ちゃんとか由依さんにも。.....だからエロゲが好きなんだろうと思う」


「そうか。.....お前も何だか変わってんな」


「こんなものに救われたってのが変わっていると思う。だけど真面目ばかりだと馬鹿らしいから。.....だからこれぐらいが丁度良いんだと思う」


あと.....今.....お兄ちゃんとエッチな事を.....、と切り出すカノン。

俺は?を浮かべて、聞こえんぞ、と言うが。

カノンは黙ってから、知らないから、と言い放ってから黙った。

そしてニコッとする。

何だコイツ?


「はいさーい!」


「.....何だ今度は」


「焼くよ!お菓子!!!!!」


「結局何を作ってんだお前は」


「サータアンダギーさー」


はぁ!!!!?、と思いながら俺は見つめる。

油使うんだろあれ!?

だが、テヘヘ、と苦笑する由依。

それから、でも中途半端な小さなサータアンダギーだけどねぇ、と言う。

俺はその姿に、そうか、と苦笑いを浮かべた。


「でも有難うな。そういうものを作ってくれて」


「みんなで笑顔で食べたいからねぇ」


「.....そうだな」


「それにしてもエロゲに救われたってのは凄い話だねぇ」


「そうですか?馬鹿ですよね」


「.....そんな事無いさー。きっかけは何でも良い。救われるならね」


私も何だか気分が落ち込んでいた時に救われるのがアニメだったさ。

だから感謝しかないよね、と満面の笑顔で言う由依。

俺はその姿を見ながら、そうなんだな、と驚く。

由依は、昔からアニメはずっとあったからさー、と言いながらニコッとする。

そんな姿に笑みが浮かんだ。


「.....由依さん.....」


「あれ?お姉ちゃんじゃないの?」


「嫌ですってそれは.....恥ずかしいんです」


「アハハ!遠慮しなくて良かったんだけどなぁ」


「お姉ちゃんって.....出会った時の呼び方ですから」


ツンとするカノン。

アハハ、と笑顔を浮かべる由依。

その姿を見つつアニメを観てみる俺。

そして二人に聞いてみる。

そうだ、と思いながら。


「なあ。映画観に行かないか」


「.....え?それは.....これを?」


「そうだな。お前らと三人で」


「そうだねぇ。良いかも」


ニコニコしながら由依は頷く。

そして甘い香りがしてきて.....サータアンダギーが焼けた。

それからオーブンから出してくる由依。

美味しく焼けたさー!、と言いながらである。


「おお。美味そうだな」


「焼けましたね」


「私特製のサータアンダギー召し上がれ!!!!!」


「それじゃあ頂くか」


「そうだね」


それからそのままサータアンダギーを食べ.....アッツい!!!!!

俺は火傷しながら食べ進める。

やれやれ.....これが美味しいから困るんだよな。

考えながら俺はカノンを見る。

カノンも目を輝かせていた。


「美味しいです」


「でしょう?アハハ」


そして由依は笑みを浮かべる。

それから同じ様に頬張った。

そうしてから、美味いさー!、とにっこりする。

しかし元気なこったな、と思う。


「あ。そうだ。お兄ちゃん。今度一緒のエロゲやろうよ。やっぱり」


「.....いきなりぶっ飛んでんな。どうした」


「一緒に話がしたいしね」


「.....」


いや.....嫌ですよ?

俺は思いながらそのまま首を振った。

そして苦笑いを浮かべる。

冗談だろ、と思いながら、であるが。


でも何だろう。

本当に嫌な気はしない。

何せあの義妹からの誘いだしな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冷徹系の義妹にとある物を見せたら俺に迫って来たんだが.....。 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ