第6話 カノンの趣味:エロゲ

何か知らないが.....罰ゲームの設定されたテニスゲームが始まったのだが。

テニスゲームは由依は得意分野。

そして不得意分野のカノンに分かれ。

カノンにとっては全てが劣勢となった。

その為にカノンは圧倒的大差で敗北する。


「.....むー.....」


「.....カノン。無理はしないで良いんだぞ」


「でも罰ゲームは設定されていたしね。.....言わないと駄目だよね」


「1つだけで良いんだよ」


「.....そうですね.....」


カノンは顎を撫でる様に触る。

それから意を決して顔を上げてから。

そのまま由依に向いた。

そして、私は勉強をずっとしている優しい人です、と答える。


「お。そういうタイプが好みなんだ」


「.....はい。でもガリ勉とかじゃ無いです。.....私みたいなのは嫌です」


「.....」


カノンは.....そんな人が好きなんだな。

俺は目を丸くしながらカノンを見る。

だって予想外の答えだったから。

ガリ勉とかが好きなタイプかと思ったのだが。

勉強を必死にしている、だ。


「.....そこで話があります。由依さん」


「.....へ?」


「.....2人きりで今度話がしたいです」


「え?良いけど.....何かなぁ?」


「.....大切なお話です」


そんな事を言いながらカノンは真剣な眼差しで由依を見る。

そして笑みを浮かべた。

俺は?を浮かべながらそんなカノンを見る。

どういう話なのだろう。

思いながら。


「.....大切な話.....だね。分かった」


「.....はい」


そんな感じで握手し合う2人。

俺はその姿を見ながら、じゃあこの後どうする?、と聞いてみる。

すると、お話しない?アニメの話!、と生粋のアニオタが言い始めた。

俺は、いや。良いけど分からんぞうちの義妹が、と言うが。


「わ、分かる」


「.....え?分かるのか?アニメの話.....」


そこまで言ってから。

とんでもない事を切り出したカノン。

それは.....予想外の言葉だった。

何を言ったかといえば。


「.....パソコンゲームをやっている」


「.....パソコンゲーム?.....それは.....まさ.....まさか!?」


「お兄ちゃんのアニオタの生活について行く為にね」


「.....エロゲかな?」


「何でエロゲやってんだ!?」


俺達は驚きながら赤くなる。

そしてその次の言葉に。

俺はまた愕然とした。

明後日にぶっ飛んでいたから。


「私.....は。刺激を先に受けた方が良いかなって思って.....こうなった」


「.....明後日すぎるだろ.....お前。努力が」


「良いでしょ別に」


「アハハ。でも偉いねぇ。勉強しているんだったら。私もたまにエロゲやるさー」


「この変態ども!!!!!」


何考えてんだ!18歳未満禁止だろ!

俺は唖然としながら額に手を添えてから言う。

すると、女子がエロゲするの珍しく無いさよ?、と言ってくる由依。

だって可愛い絵ばっかりだしねぇ、とも。

頷くカノン。


「.....お前ら.....」


「だからエロゲに行き着いたんだねぇ。カノンちゃんは」


「.....そうですね」


恥ずかしい場面とかどうしてる?、と聞く由依。

すると、その場面は保存しています、と答えたカノン。

ちょっと待てお前ら。

俺が付いて行けないんだが。


「あ!じゃあエロゲやったら良いじゃない!アキも!」


「.....馬鹿なの?それ解決法になってない」


「.....」


目を輝かせて見てくるカノン。

お前ら.....冗談だろ。

美少女に何でエロゲを勧められなくちゃいけないんだ.....。

完璧な美少女ゲームなのに。


「私達の趣味に引き摺り込むさー」


「そうですね。良い考えです」


「馬鹿野郎。俺はエロゲはしないぞ!そもそも18禁だろ!!!!!」


「お兄ちゃんやってくれないの?」


「妹ちゃんがせっかくだからって言っているのにねぇ」


あのな.....倫理的に問題があるっての。

何で男が女に勧められているのエロゲ?

俺は思いながら、って言うかカノン。え?でも2年前からやっていたのか?エロゲって、と聞いてみる。

すると悩んだが頷いたカノン。


「何だか疲れている時に刺激になった」


「.....嘘だろ.....」


「アッハッハ!」


「.....私は.....アニメも好きだけどエロゲも好き。根本からね」


「2年も.....そんな前から何の為に?」


それは色々きっかけがあったの、と言うカノン。

でも先ず第一はお兄ちゃんの為にやりたいって思ったの。

だって.....それは、とそこまで言ってから言い淀んだ。

また、だ。


「.....まあとにかくエロゲが好きなんだ。カノンちゃん」


「.....です」


「.....良い趣味だと思う(キリッ)」


「.....お前.....」


良くは無いだろ.....。

俺は考えながら盛大に溜息を吐く。

でも意外な事が知れたな。

2年前からしているのは何の為かは知らんが。

やっているのは凄いと思う。

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