おじお母さんヒス構文
「はぁ……」
おじはため息を付いていた。
「どうしたんだい、おじ。ため息つくと幸せが逃げて不幸がやってくるよ」
現在進行系でおじを超オカルト的な視点で責めたててるのはソフィストだ。
「お前らのせいや」
「キムタクが主人公のゲームの主題歌かっ」
「何言っとんねん。だいたいおじはオカルトなんて信じひんし」
ソフィストはにやりとした笑みを浮かべ、おじをからかい続ける、
「しかし、おじ。本当の力を持つ儀式があるとしたら。おじならどうする」
「何やねんそれ。儀式?」
「今ならおじが絶対に幸せになれる儀式を紹介することが可能です」
おじは胡散臭そうな目でソフィストを見て、少し間を置いてから尋ねた。
「……どんな儀式や?」
「普通拍手する時は手のひらとひらをあわせて拍手するけど、おじは逆に手の甲と甲をあわせて拍手することができるか?」
おじは言われた通りに裏拍手をした。
「普通にできたで」
「あぁ、やってしまったんだね」
「何やねん!お前がやれ言うたんやろ!」
おじは叫ぶと、おじの部屋の温度が急激に下がった。
「な、何や」
「おじ、気を引き締めろ。来るぞ」
ソフィストがそう言うと、おじの部屋の床に黒いシミが現れ、そこから何かが出てきた。
それは人間のような形をしていた。というかもろ人間の姿だ。くるくるのパーマにエプロン姿のTHE関西のお母さんの格好をしていた。
「な、なんやこれ。お母さん?」
お母さんの概念を具現化したような化け物は立ち上がり、おじに向かってこう言った。
「あんた昼から夜まで四六時中チャットばかりして何してるの?」
「何やねんお前!いきなり出てきて母親ぶってんとちゃうぞ!」
「あんたもうそろそろ37歳でしょ。そろそろちゃんとしなさいよ」
お母さんはそう言うと、おじの部屋を荒らし始めた。
「な、何してるんや!」
「あんたの部屋が汚いから片付けるのよ!」
「誰も部屋片付けてなんて頼んでないやろ!」
おじが叫ぶとお母さんはピタリを動きと止め、おじの方を向いた。
「そう。お母さんに部屋片付けてほしくないのね。お母さんが触ったほうが部屋汚くなると思ってるんでしょ。お母さんはあんたのためを思って部屋片付けしてあげてるのに、お母さんが触った部分を濃度90%以上のアルコールで消毒しないと気がすまないんでしょ!」
「何言っとんねん!怪異が母親ぶるな!」
お母さんは鬼の形相でおじに近づいてきた。
「そう、あんたはお母さんのこと信じられないのね。母親である私を捨てるというのね。もういいわかった。お母さん捨てられる前にあんたのこと捨てるから。部屋の中にあるものも全部捨てれば片付けなくていいよね。ついでにあんたも片付ければ部屋の中が綺麗になってお母さんの部屋が増えるんだ!」
お母さんはヒステリックな声を上げると、おじに襲いかかってきた。
「うああああああああ!」
DEAD END
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