おじと捨て猫
ある雨の日、おじは傘を差して歩いていました。
「にゃー」
おじが民家の横を通った時、不思議なことに――どこからか謎の声が聞こえてきたのです。
塀の下の方を見てみると、そこには何かを隠すようにダンボールが1つ置いてありました。
「にゃー」
箱の中から声がしたものですから、おじは急いでダンボールを開けました。
するとそこには、とても可愛らしい子猫が1匹入っていたのです。
「どしたん? 捨てられたんか? 可哀想やな」
おじは子猫に問いかけますが、子猫はただ「にゃー」と鳴くだけでした。
「イヤッ。でもおじの方が可哀想やで? 朝からバイトして腰いわして、こんな雨の中帰らなアカンのやで? しかも家帰ったら家族の面倒見なあかんしローション作りやメルカリの作業もやらなあかん。お前ら畜生におじの人生の辛さわかるか?」
「にゃぁ……」
「お前らほんま何も分かってへんな! おじの辛さを理解してくれる存在なんて誰もおらん」
おじは呟くと、再び一人寂しく帰り道につきました。
END
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