意味がわかると怖いおじ理解度テスト
「今日はみんながどれくらいおじのこと理解してるかテストするで」
おじは困っていた。毎日ツイキャスで配信してるのにも関わらず、デュラチャのみんなが全くおじのことを理解していないことに。
だからおじはみんなとの関係性を再確認するため、テストを行うことを決めたのだ。
「じゃあまず第一問。おじには夢があるんやが、なんだと思う?」
「パン屋さんになること!」
デュラチャユーザーの一人が答えた。
「チャウ」
「いつもパン屋パン屋言ってるでしょ!」
「お前はなんもわかっとらん!」
おじはキレて、そのユーザーを切断し部屋から追い出した。
「パン屋は例えで斬新なアイデアがあるならなんでもええねん。おじの夢はもっとでかいで?」
デュラチャユーザー達はざわつき、早く答えを言えよみたいな空気が流れ始める。
「正解を発表するで……」
そう言うと、おじはパソコンの前で大きく深呼吸をした。
そして次の瞬間、大声で叫んだ。
「正解はっ! おじの夢はお金持ちになってモテモテハーレムを作ることやで!」
(キモすぎる……)
(絶対叶わないだろw)
(こんなん草)
みんなは切断されるので口にこそしなかったがドン引きだ。そんなことを知らないおじは次の問題に移ることにした。
「じゃあ次の問題やで。おじは何をもらった時嬉しいか?」
「ローション?」
「お前アンチやろ! 少しはおじの魂を震わせる答えを出せや!」
「じゃあバイブ」
「おじの魂がバイブで震えるかボケ!」
また一人切断し、おじは他のユーザーが答えるのを待つ。しかし、おじに切られるのを恐れてか質問に答える人はいなくなってしまった。
「おばぶ、わかるか?」
おじがキャスでコラボ中のおばぶに話しかけた。おばぶは少し考えると、
「愛でしょ」
「うーん。近いっちゃ近い」
「答えなんなの!」
「おじが貰って嬉しいもの……それは、ありがとうや」
「何がありがとうだよアホか」
そう悪態をついたユーザーはまた切断された。
「ありがとう、ありがとう」とおばぶだけが呟き続けた。そして、他のおじファミリー達もそれを真似し始めた。
その後しばらく沈黙が続いた。やがておじがこう言った。
「わかったで、これが最後の問題や」
おじはそういうと急に神妙な面持ちになった。
「おじな、実はある禁忌を犯してん。それが何かわかるか?」
デュラチャユーザー達がざわつき始めた。
禁忌? おじの禁忌とはなんだ。みんな考え込んでいるようだった。
「わからんようだし教えたるわ」
答えが出ないと悟ったおじは解説を始める。
「おじな、ローションの悪魔と契約してん」
それを聞いたみんな黙ってしまった。意味不明すぎて言葉が出なかったのだ。
「みんなには教えへんかったけど、おじはこの悪魔に魂を捧げ続けないといけないねん」
おじが悪魔との契約について語る度にみんな黙りこくっていた。
「お前らもありがとうやで。おじの魂も少し分けたるわ」
次の日のおじのメルカリには大量にローションが出品されていたという。
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