おじアンチ
「おじな、最近アンチに困らされてん」
おじがデュラララチャットでそんな相談をしていたのは8月も半ばの頃だった。
「メルカリでな、商品出してたら全部通報されるんよ。毎回毎回全商品に通報して回る奴がおんねん」
「もしかして、そのアンチというのはおじの想像上の存在に過ぎないのではないのでしょうか?」
おじは真面目に困っているようだったが、デュラチャの性格悪い面々はむしろそれを面白がって話半分に聞いているのであった。
「チャウチャウ! お前ら何もわかっとらんねん。アンチはいるんや!」
おじの怒りは有頂天まで達し、ついには机を殴りつけ大声を上げはじめた。そのおじの怒りも落ち着きを取り戻した頃、おじの部屋は静寂に包まれた。
「なんでみんなわかってくれんのやろな? おじがおかしいんか?」
「………」
「いや元はと言えばお前らアンチが変なことばっか言うのがおかしいんやろ!」
「かずひろ? 誰と話してるの? え?」
「あ、ママ。あのな、最近おじのアンチがうるさいねん」
「でも、PCの電源ついてないわよ…?」
「あ、え……?」
おじのPCの画面は真っ暗で、もちろん電源も入っていなかった。
「チャウチャウチャウ。おじな、おじファミリーっていうのがいんねん……」
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