第2話

初日に教室で、週1の必修クラブを何にしたいか先生に聞かれた。

みんなは、すでにもう2年生の終わりに決めていたらしい。

ボクは美術部を希望した。


そのあと、みんなで学級委員を決めはじめた。ボクはまだみんなのこと全然知らないから、みんなで決めていくのを静かに見ていた。


「何か委員やる?」

って聞かれて

「図書委員でいいよ!」

って言って、図書委員になった。


初日は、それで家に帰った。

女子といっしょに話しながら帰った。

「中3で転校して来るなんて、たいへんやなあ」

「ほんまやな~。慣れたと思ったら卒業やしな」

って、みんな転校生のボクのことを考えてくれていた。


家は祖父母の家だ。

両親は沖縄で仕事をしている。

中3でも沖縄にいるのかと思っていたら、祖父母の家に行って、そこから中学に通うようにと両親に言われた。

そして、そのまま大阪の高校に通いなさいってことだった。


祖父母は毎日、お経をあげている。

ボクもそのお経を知っていた。なぜかと言うと、小学生の時に少年合唱団に入っていて、夏休みの合宿でお寺に行き、そこで毎朝、発声練習のかわりに、みんなで大声でお経をよんでいたからだ。


祖父母の家には霊の存在を感じる。

最初に来た時から

「何か強力な霊、存在してるな~」

って感じた。


ボクの部屋は2Fだったから、2Fに上がろうとして階段を2~3段登っただけで、2Fにも何かの霊いるなって思った。


ボクの部屋に入った瞬間、その部屋にも、何か霊の存在してるのを感じた。


家全体を守ってくれてる霊と、その他にも、ボクの部屋を守ってくれてる霊のいるのを感じる。


でも全く知らない家でなく、祖父母の家なんだから、その家に、家を守ってくれてる霊も存在してて良いのかもって思った。

だから、そんなに気にしないで、暮らしはじめた。


ボクの部屋の霊は、なんとなくだけど、女の子の霊のように感じた。

部屋に入った時、何かちっちゃなお人形さんの存在を感じたんだけど、部屋にはお人形さんなど置かれてなかったから

「ボクの来る前に置いてあったのを片付けたのかな~」

って思った。

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