第128話看板娘 リリとねね

 八百万 

 

 言わずと知れた、八百万の看板少女兼所有者でありオーナーの一人でもある、狐人族の少女 ねね。 

 

 一番初めに八百万を発見して、斗真と接触、斗真の料理を初めて食べた少女でもある。 

 

 様々な事情から、両親が残した土地を所有していたが、初めは宿などもなく、自分達の家と母が手入れしていた庭園が存在するだけの状態だった。 

 

 両親が残した遺産があるものの、自分達の判断で乱雑に使っていいものか?悩んだ末、毎日ぎりぎりの食事量で暮らすと言う、なんとも言えない生活を送っていた。 

 

 斗真が料理屋を開くか悩んでいた時に、女神の加護でスキルに開眼、建築スキルも手に入れた事により、両親が思い描いた宿かはわからないが、斗真のスキルを利用して、定食屋+宿などの大衆娯楽場を作らないかと提案され、斗真の提案にワクワクしながらもお願いして、今の巨大娯楽施設、八百万は存在する。 

 

 今でも自分達の家は、前よりも綺麗になって存在するのだが、斗真に甘えて食事を一緒にする様になり、お風呂なども借りたり、お泊り会などしている内に自然と一緒に住むようになった。 

 

 今でこそ、各家庭にお風呂など存在するが、斗真が来たばかりの頃は斗真の家にしかお風呂は存在せず、またエアコンなどの快適な空調なども存在しなかった為、斗真の家に住むようになってからは、非常に快適で毎日ぐっすり睡眠もとれる様になり、食事が楽しい事だと知り、姉妹そろって輝かしい毎日を手に入れた。 

 

 八百万では斗真の調理の手伝いはもちろん、給仕の手伝い、お客さんが混乱しないように席までの案内などすると同時に、常連さんには小鉢のサービスやどう食べたら美味しいかを積極的にレクチャーしている。 

 

 リリ、ねねは名実とも八百万の看板娘で、SSS級冒険者であっても常連たちの間では彼女達に頭があがらない、怒ると母アセリアと父ガロの片鱗を見せる、次期英雄候補とも名高い。 

 

 オルレアンの十二神軍 第一将軍のドティとのどつき漫才はもはや名物で、ドティも突っ込み待ちな所があるので、ねねお嬢からの突っ込みがないと内心ドキドキしている。 

 

 邪神のりんねを斗真から引きはがしたり、ギャン泣きするりんねを泣いてばかりは駄目と叱れる存在でもある。 

 

 孤児達もリリとねねの事は尊敬していて、午前中は共に勉強をしている他、八百万の宿で働きたい子を率先的に雇い、早い段階からクラウスさんとルーナに執事、メイド教育をしてもらっている。 

 

 王国従者部隊とは別に、八百万特選接客部隊ができつつあり、素質のある子供達の戦闘能力は冒険者ランクのAレベルであり、時期にナンバーズに並ぶのではないか?とクラウスとルーナは画策している。 

 

 斗真こそ知らないが、ねねとリリの近接戦闘、魔法戦闘レベルも午前中の授業でメキメキ当確を表し、二人の実力はSに届くかもしれない、流石は英雄の娘たちと噂されているが、斗真本人は知らず、二人を自分の妹の様に可愛がって、何か危険な事が起こっても自らを盾にしてでも二人を守ろうと考えている。 

 

 八百万とは違って、ねね、リリ、ニーア、りんねは毎日メニューが違うとか関係なく、好きな食べ物を自由に食べれる上に、異世界にはない現代のお菓子などもおやつとして食べる事がある。 

 

 その中でもやはり斗真がたまに作ってくれるおやつが大好きなのである。 

 

 好物は斗真の料理!!!と何でも大好きで、その中でも天丼や寿司、ラーメンとかなり日本人に近い味覚をしていて、味噌や醤油などもかなり好んでいる。 

 

 ナポリタンやオムライスなどの洋食も大好物で、斗真の作るナポリタンにきゃっほう!と大はしゃぎするなど、可愛らしい一面も多い。 

 

 リリは年齢的にか、斗真に甘えたいけどちょっと恥ずかしいと思ってしまうのに対して、ねねはりんねばかり甘やかすと、機嫌が悪くなってしまうので適度に甘やかしたりスキンシップが必要になったりする。 

 

 意外とナイーブな一面もあり、嫌な事があると斗真の膝に頭を埋め、抱き着いて動こうとしなくなるなど子供らしい一面もある。 

 

 両親が残し、斗真が建ててくれた、八百万施設全体を非常に大事にしていると共に、この幸せを多くの人と分かち合いたいと考えている。 

 

 クリスタ、ニーアを初め、ルーカス、ギムレッド、フィガロの5大英雄はもちろん、従者部隊のクラウス、ルーナ、ルーファウス、伝説のガンダルフ、エスメラルダ、トリスメギストス、マーリン、ラウンズであり領主のアーサーなど斗真共々様々な強者に可愛がられている。 

 

 国王も一目置いている為、貴族の無法が許されないのが八百万そしてウェールズ街全体へと伝播した。 

 

 これ故にウェールズで暴れる貴族は、よほど王都の事情を知らない田舎者か他国の貴族と言う事になるが、ドティの旅行記や世界的料理調査団体のミストラルの情報などで世界でも特異な街として有名なので、余程の情報弱者でない限り八百万またはウェールズで暴れる貴族は存在しない。 

 

 強者のお客が多く、個人個人が本気で闘気や殺気を出すと天候が荒れたり、大地が震えたりする、もし戦闘が最悪始まってしまっても様々な強者が街の人や建物に超強力な結界を瞬時に何重、何百と重ねて張る為被害はほとんどない、最悪戦闘している人物達を異空間に飛ばし、その戦闘が実況されるなど半分名物になりかけている。 

 

 異空間闘技場が設置されてからは、斗真が即席で用意した闘技場は更地になり、何もないスペースになっている。 

 

 唯一心配されているのは、斗真の土地を弄る能力があれば、ウェールズの街を無限に拡張出来るため、王都より巨大になるのでhないか?と不安視される事もあるが、ブリタニア大陸の王都の右にウェールズ、更に右下に港町のグラナダ王都とウェールズの上には未開の大樹海大陸が広がっている為ブリタニア大陸の10分の一が人間の手の入った土地である。 

 

 この世界には天空を回遊する島が複数あり、また海を移動する島、回遊大海国家なども複数存在する。 

 

 ねねとリリはそんな地球より超巨大な惑星の中でも、特異な街ウェールズその宿と娯楽施設などの観光の要を握っている、凄いオーナー兼看板娘なのである。

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