第94話内臓ブーム?夜の八百万の評判

 八百万を知っているか? 

 

 当り前よ!今じゃウェールズの街の代名詞、飲食店の期待の星、定食屋八百万!ここいらの冒険者や住人で知らなかったら、そいつはどうかしてるぜ! 

 

 それは昼間の話だろ?俺がいってんのは夜の飲み屋の八百万の方よ! 

 

 ああ、なんでも臓物を食わせる店って話だろ?そっちも確かに有名だが・・・・・あんまり話にはあがらねぇな? 

 

 だろ?ところが最近飲み屋八百万も段々と人気が爆発してきた様でな?八百万で美味い酒はなんだ!!美味い内臓はなんだ!!でもめる奴らが増えてきたのよ。 

  

 冒険者、黄金のレオン 

 

 「内臓つったらレバー!砂肝!ハツだろ!あのこりこり感!んでもってちょっとクセのある風味!そこにクセのある焼酎の森伊蔵をぐっと飲む!これ以上に美味い酒の飲み方と美味い酒が他にあるかっつうの!?もちろん内臓は地龍の内臓だ!内臓の中でも王様といっていい程、どの部位も美味い!安さが売りの八百万でもちょっと値の張る内臓だぜ!」 

 

 タイタンのレックス 

 

 「嫌々、内臓といったら串物!焼き鳥以外考えれないだろ!焼き鳥ならではのちょうちんにばんじり、大きな動物と違い小さな鳥のハツやレバーは貴重でまた味もいい!そして酒の中でも特別な凍結酒の銀河鉄道!これがたまらなく美味い!キンキンの銀河鉄道を飲んだことあるのか?癖になるぞ!」 

 

 ラウンズ 太陽の子 ガウェイン 

 

 「内臓かぁ、レバ刺しにハツ刺しセンマイ刺し!どれも美味いんだよなぁ!斗真の旦那の世界だと美味いけど、危険な菌??がいるから生で食べる事が禁止されたって話だが、斗真の旦那は加護もちだから、安全に食えるんだよな!マジで八百万様様だぜ!レバーのとろける食感とサクサクの歯ごたえ!塩とごま油がこれまたうめぇんだよなぁ!確かにあれは美味いが、米!って感じじゃないく、酒って感じだな!日本酒!日本酒があうだろ!八海山に久保田!魔王なんかもいいよなぁ!うひゃぁ~飲みたくなってきた!」 

 

 グラナダファミリア 団長 リナリア 

 

 「内臓なら魚もいいぞ!大型の魚の内臓盛り合わせ!胃にエラ、肝に卵に浮袋!まさに全身余すことなく食べられる!アングラーの肝、アンキモなんか濃厚で舌の上でとろけるぞ!!軍艦寿司としてにぎってもくれる!そしてグラナダ領のカキ!こいつが大粒で美味い!今では斗真殿のおかげで腹痛なんか一切怖くなくなった!グラナダの街の魚介にも斗真殿の加護をかけてもらい、今では街全体で生の魚やカキが味わえる、八百万以外で唯一の漁港だ!濃厚な磯の香高いグラナダのカキ!何度も何度も食べたくなるクリーミーな味!そして酒と言ったら泡盛!!これが一番美味く!強い!泡盛の寝かせたものを飲んだことはないのか?あれは次元が違う!とろける濃厚な酒!時を感じる濃厚さ!時間をかけねば作れない、まさに熟成の味!泡盛こそ幸せの象徴なのだ!」 

 

 妖精姫 エーテル 

 

 「まってください!八百万の代名詞と言えば、ウナギ!ウナギこそ八百万の原点でしょうが!そんでもって串!かぶとにヒレ巻!エリに肝!あの邪魔者を余す事なく美味に仕上げたのは斗真殿だけです!ヒレもエリも濃厚で美味しく!肝の苦味とこってり感!身の短冊もホクホクで最高!頭まで余すことなく美味しくいただける!そんでもって酒といったら青蘭!これに限ります!他の酒の様に透明ではなく青く透き通った綺麗なお酒、ハーブの香りもして飲みごたえも抜群!見て!飲んで!味わって!これ以上の贅沢はないはずです!」 

 

 ラーメンクィーン ハイリューン・ヒルデガルド 

 

 「ふふふ、お~っほっほっほ!どなた様もまだまだ浅いですわ!最高の内臓!それは・・・・・・」 

 

 一同 

 

 「「「「それは・・・・・・・???」」」」 

 

 「ずばり豚の内臓こそが最高なんですわ!」 

 

 「でたよ!豚骨狂い!」 

 

 「そんなこったろうと思ったぜ!」 

 

 「シャッッッッッッッッ・・・・・・ラップ!最近では頭を丸ごと注文できる事を皆さま知らないでしょう。わたくしは!豚の全てを味わいました!頭の肉、頬肉!タン!目玉!のおおおぅううまでも!そして至高の豚、それは七色豚の内臓!そして・・・・・・・豚足なんですわ!!!!豚足!それは魅惑のワンダーフォーゲル部!!!皮はむちむちのとろりんこ!癖もある風味と共に舌の上でほどけ、カーニバルを開く豚さん達・・・・・・私の舌と言う山を登山よろしく、エスカレーターに乗っているかのように自然に喉奥の火口と言う、深淵に落ちていく!!!!!あまりの美味しさにその場でランバダを踊り表現しそうになりましたわ!そしてレバ刺し!ハツ!センマイ!胃にフワ!四階級四団体制覇の王者が如く!味のデンプシーロールは食べる者を嵐の波に引きずり込む!・・・・・・まさに!覇王至高拳を使わざる負えない!乗り込んだ陶酔というバイク旅路に人は誘われる!!!そしてお酒!カクテルも良いものですが、あればお酒の組み合わせを楽しむもの、料理には料理の最適解が存在します!!!そしてその最適解こそは・・・・・・日本酒の・・・・・・獺祭!!!!!ムキムキの!キンニ君たちが!ふんどしと!ねじり鉢巻きを纏い!神輿を担ぎぶつかり合う!まさにデットヒート!掟破りの喧嘩祭り!!!!!そして荒野に輝くのは・・・・兵共が夢の跡・・・・・・・そこに広がるのは新たな生命を宿した緑たちが視界に広がるんですわ・・・・・」 

 

 「なんの話してんのか、途中からわからなくなってきた」 

 

 「よくわかんねぇけど確かに獺祭は美味い酒だ」 

 

 超大国オルレアン 十二神軍 将軍 ドティ 

 

 「ドティ!よくわかるよ!クィーンの言ってる事よくわかるよ!でもクィーン間違ってる!頭か足まで食べて美味しいのは牛よ!!!七色牛!これが最高よ!内臓ももちろん最高にうまいよ!テッチャン!八百万名物のテッチャン!味噌でも醬油でも辛いタレでもみんな大好き!テッチャン!筒のままパリパリに焼いて中の内臓脂肪はじゅくじゅくのじゅんわり!これに齧り付いたらもう!筋肉達がヤアアアアアアアアアアアア!・・・・・・・・ハッハッハッ」 

 

 「将軍、そのやれる内にネタやっとけみたいな乗り辞めとけよ」 

 

 「ここからがマグマなんです!?」 

 

 「聞いてんのか!!」 

 

 「そして七色牛の内臓!それは数えきれないほど多いよ!喉、ウルテにわっか、タチギモ、ハツもと、すい臓、レバー、サガリ、ハラミ、フエガシラ、シビレ、テール、コブクロ、チチカブ、丸腸、シマチョウ、アキレス、脳に舌!目玉も食えるよ!そして脊髄に骨髄!骨髄は滅茶苦茶脂っぽくて、濃厚で美味しい!バゲットなんかにも合うし最高よ!そんでもって精髄!これも安全に食べれるのはこ~こ!八百万だけ!白く管の様にみえるけど、もっちりしてとっても美味しい!脊髄や脳は病気の牛さん食べると非常に危険よ!そんな危険を取り除いてくれて、安全に食べれるのは!こぉ~こ!!八百万だけ!そして酒!ドティは筋肉ルーレットに従って世界中を旅したよ!もはや将軍職より、旅に記した本の方が有名で、色んな国でベストセラーや大絶賛で確実な旅情報発信者として有名になったくらいよ!そんなドティが何より凄いと思うのは料理ももちろんだけど、お酒!お酒の種類の多さよ!まずビール?エール?ラガー?なんでこんなに酒類あるのよ!しかもお酒作ってる所が違うと本当に味も違う!我々の世界では街が変わってもエールの味はどこもにたりよったり!なのにこのビール!色んな味があるよ!!!」 

 

 「確かにそうだな」 

 

 「八百万と言えば、日本酒とかに目がいきがちだが、確かにエール?の種類が多いし、どれも冷えてて美味い!夏は最高だよな!」 

 

 「そして日本酒!これも種類が多い!ワインにブランデーにウィスキーにスコッチ、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム!焼酎!リキュール!濁り酒に氷結酒、泡盛に古酒!もう一体どれだけの種類があるのか!?そんでもってカクテル!酒やジュース色々掛け合わせた酒!これも一体どれだけの種類があるのか!!この中から頂点を選べなんて、ドティにはそんな恐れ多い事できないよ!そんなドティのおすすめ聞きたい???んんんんんんん!!!Uえ!Uえ!Uえ!Uえ!Uえ!・・・・・・ハッハッハッ」 

 

 一同 

 

 「「「「「・・・・・・・・・」」」」」 

 

 「響き!!21年!!!ハッハッハッツ!!!!!」 

 

 「長いねん!さっさと言えや!将軍!!」 

 

 「息切らすほのど事じゃないやろがい!!」 

 

 「なんにせよ、これから夜の部も、もっと混むだろうな、酒も出す料理も特別だもんな」 

 

 住人たちはまた我先にと夜の八百万に向かう、日本でべらぼうに高いお酒も、八百万では異世界価格として安く飲める、本当に異世界の値段で売ったらとんでもない値段になる事を八百万のお客さん達は知らないのだった

 

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