第61話食材達や料理人のお話

 七色シリーズ、この異世界で最高峰の美味さを誇る食材達であり、代表的な食材は七色鳥、セブンフェザーや幼体はタイニーフェザーとも呼ばれていたりする。 

 

 他にも七色豚、レインボーピッグとも呼ばれ、その肉は皮目が七色に輝き虹の光を発するが肉は綺麗なピンク色と脂身の白が美しいお肉である。 

 

 作中にはまだ登場していないが七色羊に七色牛、ヤギや馬、ウサギにアナグマ、クマに鹿、他にも未だに未発見の七色食材は世界に数多く眠っている。 

 

 その肉もしくは野菜は、まさに今までの食の概念を変えてしまう程美味であり、生涯に一回は食べたい食材の一つに入る。 

 

 美味いが故に調理は困難で、下手な塩振りで塩のえぐみが強調されて料理の基礎となる塩ですら繊細な仕事が必要となる、主に超高級店で稀に扱われる事があるが、その店特融の長い間研究された調理法をそのまま再現する事で調理が可能としている、例えば適合する塩、や胡椒焼き具合など細かな研究を重ね、その指示通り作る事で味を保っている。 

 

 世界にはまだまだ様々な食材があり、宝石シリーズ、鉱石シリーズなども存在している。 

 

 ここで非公式ながら八百万の店主斗真は序盤の内に七色シリーズの調理をしている。 

 

 七色豚の角煮にクリスピーポークである。 

 

 更には七色鳥の北京ダックといい、料理界、シェフの間で七色豚や七色鳥を難なく調理して美味な料理に仕上げたなど、嘘か誠かと確認不明の噂が噂されているのである。 

 

 料理人、料理人は冒険者あがりの職人が多く、戦闘能力はもちろん繊細な職人技なども扱える人間が多い、もちろん幼少期から修行をして生涯を料理人と言う職業に捧げる人間も沢山いる。 

 

 王都には一流の店から超一流の店なども沢山あり、会員制の貴族しか相手にしない店から、一般庶民がお祝いの時に使う店や客であればどんな客でも受け付ける店など、その職人によって客は様様である。 

 

 いつもは一般庶民を相手にしているけど、作る料理は絶品で庶民を押しのけても食べたいと言わせる下町料理人も数多く存在する。 

 

 王家は美食の祭典を開き、料理人に星の称号を与え、その星が多ければ多い程、庶民や貴族、国民の食生活を豊かにする存在として貴族並みの扱いを特別にしたり、王家から特別に過剰に得た食材の支援があったりと、恩恵は数知れどあり、その制度は絶対であり、金や権力の行使する取引での星の取得は絶対に許されない、もしも裏の取引が発覚してしまった場合、王家の親族であろうと、この国の柱である公職家だろうと重い処罰が下る、最悪の場合一族全員その末端にいたるまで処刑される可能性があるほど重い。 

 

 そして星の与えられる料理人はとは人間の人類の模範、規範となるべく高潔かどうかであるかも評価対象とされる、例え腕がどれだけ良くてもマフィアなどの裏の料理人は星を与えられなかったりと、審査も厳しい、大抵の料理人はどれだけ腕があっても星の存在を気にしないで料理店を開いている店が多い。 

 

 それだけ他人からの評価を気にしていない豪傑たちが多いのだ、自分の進むべき道、料理道に邁進する事で手一杯で真に腕のある料理人達からは見た星制度は、いつも通り料理を振舞っていたら、王家からの調査で勝手に称賛され格付けされ、結果星の料理人になってましたと言うパターンが多い。 

 

 逆に名門の出の人間などはいかに星を手に入れるかで頭を悩ませる人間が多い、星こそ自分が求めていた他者からの賛辞の塊であり、その頂点に君臨する事が我が家の全てなのだと星に心血を注ぐ貴族料理人なども多いが、中には自分は貴族や味のわかる人間しか料理はしないと言う差別意識を持っている人間も多い、どれだけ善意の施しや炊き出しなどやろうとも、一般人の意見を無視しては高潔とは言えないだろう。 

 

 異世界定食&宿泊施設の八百万 

 

 王都から徒歩で一日歩いた、第二都市ウェールズ、公爵であるアーサー・フォン・ドラゴンが治めている街で今国内で一番勢いや人気がある街否もはや都市である。 

 

 八百万、一般のお客様も貴族も王族も関係なく列に並んでもらって入店する順番をまつ店である。 

 

 荒くれものの冒険者を束ね、その冒険者達が手に入れた食材を大量に差し入れてもらえる程、冒険者や一般人からの人気は高く、また5大英雄や高位冒険者貴族果ては幻と言われる伝説の存在達も店内を闊歩する。 

 

 この国の大守護法にも匹敵する、最強従者部隊の序列三位絶指のクラウスと序列六位 結界師のルーナを派遣される程の人間で、王家からも食材が莫大に送られてくる。 

 

 この莫大な食材達は、王家側から見たら他の店にグチグチ言われない程度の端数であるのだが、八百万から考えたらマジックバックでもなかったら冷凍倉庫でも借りないと保管できない程大量の食材である、王都側からはこの程度しか食材を送らないで、斗真の機嫌を損ねないか不快に思われないか差配する文官は正直ヒヤヒヤしていると言う。 

 

 最近にいたっては、王都主義の貴族や名店シェフその分野のスペシャリスト達が噂が本物か確認するために動き始め、こっそり八百万に来店して衝撃を受けるの連続である。 

 

 店主の一言で臨戦態勢の英雄たちが戦闘を辞める程、八百万の調理法は斬新でまた食材の活かし方もうまく、あの王都絶対主義のサウザント家の頭首が八百万の店主に是非王都まで来てほしいと懇願する程、だったと言う王都にお越しの際はぜひサウザント家をお使いください!いつかは王都にもお弟子さんの店を出店してほしいなどと言う程ほれ込んだのだとか。 

 

 八百万の噂は料理人はもちろん貴族、そして一般庶民まで語るようになった。 

 

 中つ国の十二天が八百万の店主を手に入れるために動いたと言う噂話は、それはもう盛大に王都、または国内に鳴り響き、あの無敵のルーファウスと第二位の星詠みの図書館が迎撃に出るなど、国内だけでなく他国まで動かせる人物と噂はさらに広がった。 

 

 国王陛下が八百万の店主がウェールズを出る際には国からの許可を必要とすると宣言する程であり、他国に赴く際は大部隊をもって厳重な警護の元、スケジュールをしっかりと調整していつまでの期日には確実に帰ってくるものとすると決めるほど王家は大事にしている人物だとか、それはそれで窮屈で大変そうだなとも思う。 

 

 王都や他の都市の人間などは噂する、そんな凄い人物、そんな凄い料理人の星は一体いくつなのかと? 

 

 これから発表される名店百選や星獲得の料理人達のランキングなどが一体どんな結果となるのか? 

 

 様々な街や王都はもちろん、ウェールズでもその話で持ちきりとなっていた。 

 

 都市の住人達は八百万のランキングや星の数がいくつになるかで、大騒ぎ、昼から酒場で酒を飲む奴もいるほど盛り上がり、いつぞやの大会並みに盛り上がっている熱気の中、肝心の斗真やねね、リリ達は何も知らずに庭の縁側で日本産のあま~いスイカを食べながら、水をまき談笑している。 

 

 「お兄ちゃん!王家からまた食材援助あったんでしょ!今度は何が送られてきたの!」 

 

 「ああ、凄いよ、脂の乗った超デカいレインボートラウトがそれはもう沢山送られてきたよ。刺身でちょっと食べたけど日本で手に入るトロサーモンが陳腐な味に感じる程、表現に難しくなるほど美味いよ。俺食った時ちょっと泣いたもん、あんな美味い刺身あるんだぁ、フォアグラとかキャビアとはまた違うベクトルの衝撃だった、あれお客さんにだしたらきっと膝から崩れ落ちるぞ、足に力はいらなくなるもん」 

 

 「そんなに美味しいの!?気になる!!」 

 

 「今晩はレインボートラウト祭りでもやろうかね。ニーアさんも喜ぶだろうなぁ、お酒も合うのがありそうだし」 

 

 「わーい!楽しみです!」 

 

 毎日がこんな感じで、彼らは彼らで幸せな毎日を送っている。 

 

 果たして星の行方は!?一体いくつの星をもらえるのか!!それはまたいつかのお話。 

 

 

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