呪文

人類が寝たふりみたいに静かなら自分ぐらいは語らせてくれ


割りばしが割られた後のささくれは寝坊した日のちょっとした嘘


水槽の魚は笑う夕方に必ず家に戻る私を


会えない日会いたくない日どんな日も僕は全然君に成れない


しなやかに跳躍できるロボットの電源を切る終末の夜


イブラヒモビッチ句またがりさせたい名前の美しいゴールよ


簡単に未来を知れる引き出しでびっくり体験アインシュタイン


ファイトは人生で5000発まで 崖の下で眠れる場所を探す


四次元になれ 君の不在を自分で確かめられる世界であれ


エレベーター止まる想像するたびに孤独のうまみ少し感じる


何らかの王になりたい夕暮れにライオンみたいな猫がかわいい


破調するよ 警告後なら何してもいいと思っているの 破調報告


枯れかけの花を綺麗と思ってもあらゆる善が言葉にさせぬ


温もった後に君に騙される 蓋の上のスープみたいに


生きればいいんじゃね 呪文のように唱えれば生きてるんじゃね

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