カーテン

貨物あり貨物なし次々に行く列車ばかりが涼しい夏日


カーテンに空いた穴から見えるのは足跡だらけで閑静な街


磨かれた最高級の友情がまた愛情に塗り直される


鹹草の摘まれた側の明日には根のない過去が染み込んでいく


ご先祖の遺影はみんな同じ顔そういう風に死ぬまで生きる


私も死ぬ いつだろう謝らないで灰になれればいいのだけれど


祖父は死んだ 二十年前から体内に散り散りにある時折笑う


祖母が死んだ 遠すぎてただ情報が更新される悲しみはある


甘辛くするよと母が言ったなら飛行機雲のように甘い


押し花がきゅとんと胸に落ちたとき君の返事を待たなくなった


さよならの累積警告五枚あり ありがとうが禁止される日


賞味期限とっくに過ぎたドレッシング見て見ぬふりをしていたら秋


波のない人生だと思ってた とてもゆっくり砂に染みてる


カーテンを閉め切らないと暮らせないタブレットには満開の星


季節とかあまり実感しないけどKALDIの推しがまた変わってた

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