第38話

「うちの犬は、ゴールデンレトリバーで太郎と言います」


「あ、はい。守さんにお聞きしました」


「外に、犬小屋を作ってもらえないでしょうか?」


「はい。もちろんです」


即答した。


「そのデザインを考えて、守に連絡してあげてください。喜びます」


「はい。わかりました。どういったものをご希望でしょうか?」


まじ、職人かなんかなのか。


「太郎を見て、インスピレーションで考えてもらえますか?」


「わかりました」


その後、明日の段取りを説明。全然文句言ってこない。あなたの兄は、しょっぱなから文句言ったぞ?これ、やる意味あります?とか。太郎と対面すると、かなり慣れた感じで接している。


「あなたは、獣医を目指さなかったんですか?」


太郎をよしよしとしている。


「なろうと思ったことはあります。でも、ヘビが苦手で…」


「なるほど。そういう理由ですか」


私には苦手とかそういうものなどないので、感覚がわからない。


「それに、勉強はあまり得意ではないんです」


「そうなんですね」


私ばかり話してるから、守とも今度直接話しさせてあげよ。

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