プロポーズ

第20話

みどりは相変わらず住み着いている。勝手に。


「責任取ってくれるなら結婚してよ。独身だと詰め寄られるからいい顔するの疲れる」


飯食ってる時に、言ってみた。


「え、プロポーズをさらりと?」


「契約だし。別に紙に書くだけ。そっちの会社の方は俺は関わらないけど?」


「もちろん!…あ、でも」


「なに」


「足助さんはどう思うかな…」


「誰のこと言ってんの?ここにいますけど」


「違うよ。甥っ子」


「なに?実のこと言ってんの?」


「私、一応上司なんで」


「関係ないよね?」


「…確かに。じゃ、役所で紙貰ってくるから」


「いいよ。俺行く。車だし」


「そう?うちの母親はそういうの後で言えばよさげだけど、守のとこは?」


「俺は兄に育てられてる。親は死んだ」


「そう」


「そんだけ?もっと悲しむとかないの?」


「あっさり言うから。会ったことない?」


「写真でしか知らない」


「兄は優しい?」


「主治医だよ。それと、もう1人は実の父親」


「あれ?それってうまくいってないんじゃなかった?」


「へー、詳しい。仕事忙しいから実はほったらかされて、他の親戚に預けられてたんだよ」


「なるほどね…」


なんだかなぁ…。もっと健気で、優しくて、可愛らしい人を嫁にしたかったんだけど。予定狂った。


「それじゃあ、ベット行こう!」


どんだけ性欲あるんだか…

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