第4話

「そうですけど。みのるはそういうやつです」


「ご理解があるんですね」


「そういうわけではありませんよ。ただ、頼める人がいないんだと思うので」


「…そうですか。では、契約書に目を通して頂いたら、早速サインをこちらに下さい」


書類出すの早いし。まぁしょうがねぇ。サインしてやるから、あとは実の面倒見てくれ。


「はい、できましたよ」


「ありがとうございます」


「いえ」


「ところで足助くん…」


「はい、なんでしょうか」


「今は、彼女いないんですか?」


「いませんよ」


「…付き合ってる人は」


「いません」


身辺調査?以原グループってすげぇでけー会社だしなぁ。いろいろと面倒なんだろうな。手続きとか。


「今日家に泊めて下さい」


「なぜそうなるのでしょうか?」


なに考えてんだか。あれか、俺がモテるのが悪い。


「ホテルに泊まろうと考えていたのですが、…お金がなくて」


「いくらですか?貸しますよ」


「…すみません、そうじゃないです。ホテルでは以原の名前だけで、皆さん警戒されて泊まりにくくて。友達は所帯持ちなので頼れなくて、それだけなんです。足助くんなら、部屋がたくさんある部屋なのかと…」


なんだよそれ。


「それならご自分で家を買ったらよいのでは?もともとどこにお住まいですか?」


「今は無駄使いできません。以前は寮に住んでました」


…まじかよ。学生寮ってこと?ありえねー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る