Prologue ③

「Wow! Amazing!!」


「フーアーユー?」


「ついにサモンのクリアじゃあ! しかも凄まじいパワー持って出てきおったぁ! ユー!」


「What……」


「スティタスと唱えてみろ」


 恐らく、このオールドメーンが言っていることはステータスの事だろう。

 Sammon、GOD、Power。これら3ワードから察するに、恐らくここはParallel Worldということなのだろう。ヘルも突き詰めればパラレルワールドと同じだ。

 そんなことを考えつつミーはオールドメーンのいう通りにステータスと唱えた。すると……。


──────────────────

NAME:Mogmi Rindo

OCCUPATION:High school student

TRIBE:Human


Lv:Unlimited

Physical:Infinity

Power:Apocalypse

Defence:Suser Amor

Magic:Can do anything

Speed:It is faster than velocity of light

Luck:There cannot be it


Skill:

・ファイア、アイス、ライトニング、ウィンド、ダーク、ライトのオールマジックがアクティブで、これらのアタックを無効化する。

・グラビティ、タイム、スペース、ディメンションのオールマジックがアクティブで、これらのアタックを無効化する。

──────────────────


 なんてこった……。とんでもないステータスだった。確かパラレルワールドストーリーで有れば、現世でデッドしても、GODからパワーをプレゼントされ、パラレルワールド・ヒロイックエピソードを作れてしまうなんてよく聞くが、ワールドルールさえもデストロイしかねないバニッシュパワーは流石に見たことがない。

 バット、もしこのパワーがリアルに使えるのなら、オリジナルロケーションに戻り、またハイスクールライフに戻ることだって可能ということだ。


「どうじゃった?」


「Ummm……」


 だが、ミーは当然ながらバックする気はない。せっかくこんなパワーを得てパラレルワールドに転生したんだ。ならばヒロイックエピソードなんてものもやってられない。フリーにセカンドライフをエンジョイしてやろうじゃないか。


「まぁ、そこそこだろうネ」


「おぉ……なるほどなるほど……」


 ミーは頷くオールドメーンのネクストワードを待った。

 バット、それ以降コミュニケーションが続くことは無かった。ミーはこれからどんなアクションをすべきなのかが分からず、オールドメーンもミーのことをルックするだけで何も進展が無い。

 仕方がないから、ミーが先にマウスを開いた。


「それで……? ミーはこれからどうしたらいいんだい?」


「……What?」


「いや、ユーがミーをサモンしたんだろ? ミーは何をすれば良いんだい?」


「What!? Bullshit! This dullard!」


 どうやらオールドメーンはミーをサモンした。そのリアルを今ここでフォーゴットしたようだ。

 つまり認知症。恐らく、今なぜ、このケーブにミーとオールドメーンがいるのかさえも忘れていることだろう。


「所でここは何処なんじゃ!! このワシをこんなケーブでアレストするとはこのフールが! 返せー! ホームに返せー!! 返すんじゃーー!!」


 Ummm……。非常にヴェクシングだ。ここでバーンしてしまおうか。

 ミーはそう考え、オールドメーンへハンドを伸ばし、マジックの使い方は分からないが、何となくファイアのイメージを頭の中で作り出す。

 そうすれば、ハンドがだんだんとヒートアップするのを感じ、これがマジックかと察したムーメント。


「Hey! グランドファザー! そこの人、もしかしてアナザーワールダー?」


 恐らくケーブのエントランスの方だろうか。若いマンのボイスがケーブの中ををエコーする。

 そうすればすぐにダークの奥から、イメージボイス通りの若いマンが現れたァ! どうやらマンはこのオールドメーンを知っているようだが……。


「おぉ〜Takeshi!」


「グランドファザー……。俺はSE・I・TO」


「Seito? Umm……。そんなネームじゃったかのぉ……」


「じゃあTakeshiで良いよ」


「そうじゃ思い出した! Taroじゃったかの!」


「うん。Taroだよ。グランドファザー……」


 バット、オールドメーンはマンのネームすらdon't knowだった。いや、恐らく本来なら知っているのだろう。だが認知症がファクターか。

 このSeitoと名乗るマンの諦めの速さからして、オールドメーンのフェーズはかなりバッドだとの察することが出来る。気の毒だ。


 そんなことはさておき、ミーを置いてコントを突然繰り広げる二人にミーはツッコむ。


「あの、ミーは?」


「Oh! ソーリーソーリー! 僕のネームはSeito。ユーのようなアナザーをずっとウェイトしてたんだ!

 見ての通り僕のグランドファザーはこれだから。なかなかサモンの儀をアドバンスさせること自体にハードファイトしていてね。やっとの思いでサモン出来たんだ……」


 i see。とりあえずミーがナニユエ、モンスターのストマックにいたのか。その理由がなんとなく分かった。

 バット、このアンサーによって今一つの事がデシジョンする。

 ミーはオリジナルロケーションにリターンすることはトゥルーにIMPOSSIBLEになったということを。


 オールドメーンの認知症といい、サモンするだけでもハードファイトしていたというストーリーと、ミーのことを覚えていない時点で、リターンさせることは更なるハードファイトが必要なことがイージーに分かる。

 その確率はほぼZEROに近い。


「I see……」


「What? なんか大分落ち着いてるね?」


「No、もうギブアップさ……」


「Wow……なんかベリーソーリー……」


「それはそうと、ミーはこれからどうアクションすれば良いんだ? ミーからすれば今此処にいるユーが唯一、今のコンディションを知るヒューマンなのだが」


「あぁ、そうだった。それはこれからムーブしながら説明するよ」


「OK」


 ミーはまだ何かしらシャウトしたり、ワードを吐くオールドメーンを置いて、Seitoの後を着いていくことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る