豆つぶシリーズⅤ 「豆つぶのおともだち編2」
豆つぶのお友達っていったら なにが思い浮かびますか?
そりゃ、お野菜さんだって お肉さんだって お魚さんだって キッチンにいるのは 誰だっておともだちです。
(ゴキブリさんや芋虫さんは 苦手だけどね)
でもね、まだ いるんです。
そのおともだちは、使いすぎた布製品に多く現れます。
…わかりました?
ある朝のおはなし。
高校生のおねえちゃん、寝坊したのかしら、すごい慌てようです。
まだ朝早いのに どたばたどたばた。
おとうさんとおかあさんと妹が寝ている部屋の前もどたばたどたばた。
ほらほら、うるさいんじゃない?
ふとんのなかで おとうさんが寝返りをうっていますよ。
ご飯を食べて 歯を磨いて 靴下を履いて…
「…うわー…。」
おねえちゃん、朝っぱらから ちょっと嬉しくないモノとご対面。
靴下には 肌色の豆がぽつり。
「昔は、靴下にぼくらを見つけると おかあさんが チクチクと縫ってぼくらを ふさいで また、使っていたものだけれど…。最近じゃあ、すぐにゴミバコ行きなんだよねー」
「そうなのー」
「まあ、もともと ぼくらの役目は そろそろ古いよー布の限界だよーって知らせることなんだけどね。」
「それに、時代が変わっちゃったからねー。もうさすがに、穴をふさいでまで使っていると 特にホラ、おねえちゃんとかおにいちゃんの年頃だと バカにされちゃったり するんじゃない?」
「・・・おねえちゃんは、見ない振りして、そのまま はいていったけどね。」
「え」
「まぁ、指じゃなくて かかとだったから わからないだろうって思ったのかもしれないけど。」
「・・・としごろのむすめが やるこっちゃないだろうね」
「・・・かもね。」
おしまい。
「豆つぶ」シリーズ 北の国のぺんや @kitapen_com
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