豆つぶシリーズⅣ 「豆つぶのおともだち編」


豆つぶのお友達っていったら なにが思い浮かびますか?

そりゃ、お野菜さんだって お肉さんだって お魚さんだって  キッチンにいるのは 誰だっておともだちです。

(ゴキブリさんや芋虫さんは 苦手だけどね)


でもね、まだ いるんです。


そのおともだちは、たとえば、なにかを頑張ってやった人の手にやってきます。

もう、おわかりですよね。



豆つぶの活動の拠点である、日本のどこかの 平凡な おうち。

そこのおうちには、おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃん、それから 高校生の娘さんと 中学生の息子さん 保育園にかよう娘さん が住んでいます。

保育園にかよう、下の娘さんは 今 保育園で、うんていを頑張っているみたい。

まいにち まいにち 高校生のおねえちゃんや 中学生のおにいちゃんにせがんで

うんていのある公園へ つれていってもらって すごく頑張って練習しているんだって。

そんな おちびちゃんの ちいさなちいさな おてては

ああ、いたいいたい、皮がむけちゃってる。

消毒をしながら おかあさんが しばらくやっちゃだめ と言いました。


でも、手が治ったら また うんてい。

また むける。

また おやすみ。

また 治る。

また むける。

また おやすみ。

また 治る。

また むける。

また おやすみ。

また 治る。

また むける。

ぐるぐるぐるぐる 何回まわったかしら。

目が回りそうなくらい おちびちゃんは 頑張ったのです。

そうしたら、あれれ、そのうち 皮が むけなくなって

そのかわりに、手のひらの 指の付け根のあたりが ぽっこりと 硬くなっています。


そうです、これが、豆つぶのおともだち。

手にできる、まめ。



「手にできる豆くんたちは ぼくたちみたいに、煮たり焼いたりして 食べることはできないけど…。

あっ!! ホラ、おちびちゃんを見て!もう すいすい うんていが できるようになったね。」


「ぼくたちが できて むけて できて むけて それで おちびちゃんの手のひらは どんどん強くなっていくんだよ」


「へぇー。手にできる豆くんたちも なかなかやるなぁー!」


「・・・ もうちょっと コンパクトな 呼び方は無いの?」


「・・・あいにく ネタ切れなんだよね」


「・・・」





おしまい。

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