詩集 じぶんのためのことば

絆創膏あるいは

　じぶんのこと　じぶんのことば

　価値が見出せなかった、ずっと

　要領が悪くて、へたくそで　壁にぶつかってばかりで怪我だらけ

　目指すゴールもなくて　いつまで続くかなって　自分が一番いやみに笑ってた

　これは　傷の記録

　不器用だけど　紡ぎ続ける

　じぶんの怪我をかばう布にはなる

　いつか　誰かに分けてあげられたらいい　途方もなく遠い夢だけど

　じぶんを嘲笑うのは　もうやめだ　ぐしゃぐしゃに丸めて遠くに飛ばす

　これは　始まりの記録

　大きな傷は　ふさげない

　深い傷も　かばえない

　小さな傷も　治せるわけじゃない

　治すのは　あなた自身なんだけど

　せめて　冷たい潮風が滲みないように

　少しでも　かばえたなら

　あなたが歩き出す時に　痛みが少しでも和らぐように

　これは　大きな夢の話