第22話

 俺は昼食を食べ終わったが、教室に戻ることはせずに束の間のいつも通りを少し謳歌し、予鈴が鳴ってから教室に戻った。


 授業を受けて放課後になると、俺は一人で教室を出て、電車に揺られ帰ってきた。


 そして、お風呂に入り、いつ頃聖女様は帰ってくるかな?変な時間だったら夕飯どうしようか?などと考えながら夕飯を作っていると、ドアが開いて聖女様が帰ってきた音がした。


 俺がおかえり~と言いながら彼女を出迎えると聖女様が俺を見て固まった。俺は彼女の肩を揺らしながら尋ねた。


「おーい、どうした?」

「...いい。エプロン姿で出迎えてくれる蒼人君も」


 肩を揺らしても彼女は変なことをぶつぶつと呟いているままなので俺はさらに彼女を揺らした。


「おーい、戻ってこーい」

「...えっ、蒼人くん?どうかしましたか?」

「どうかしましたかじゃないだろ...」


 俺は半ば呆れながら言った。


「今、夕飯作っちゃってるから、風呂入るなりなんなりしてて」

「ありがとうございます。なんか申し訳ないというか...」


 そう言っている聖女様に俺がやりたくてやってるだけだからと言い、俺は夕飯の準備に戻った。


 その後、お風呂から上がったのであろう聖女様がキッチンにきたときにちょうど俺は夕飯を作り終わった。


 タイミングよくて助かるななんて思いながら、運んじゃってくれと言い、テーブルに運んでもらい、夕飯を俺らはとり始めた。


 その後、夕飯を食べ終わり、リビングでくつろいでいるときに俺はあることを思い出したので彼女に尋ねた。


「そういえば、畑山。電話番号とメールアドレス教えてもらってもいい?」

「もちろんいいですけど、急にどうしたんですか?」

「いや、何時に帰ってくるとか分かったほうが夕飯とか作りやすかったりするから」


 俺らは会話をしながら連絡先の交換をした。


「これが蒼人くんの連絡先...」


 俺は彼女のその言葉に何故か一縷の不安を感じたので一応言っておくことにした。


「...一応言っとくけど、悪用するなよ」

「蒼人くんのをすると思います?」


 即行で答えてきた彼女に俺は一瞬考えてから返した。


「...悪用はしなそう」

「何ですか?その一瞬の間は?」

「...気にしないでくれ」

「...」


 俺があまり話したくなさそうにしていたからか目を細めてきただけでそれ以上彼女は追求はしてこなかった。ただし、ポスっと俺の肩にしだれかかってきたが。


 しばらく俺はそれに反応を見せないでいたが、複雑な気持ちになったため彼女に尋ねた。


「あのー、畑山さん?」

「なんかちょっと疲れちゃったなー」

「何ちゅう棒読み...はぁ、何がご所望ですか?お嬢さん」

「そうですねぇ...。じゃあちょっと寝っ転がってください」


 何かを俺が彼女にするのだと思っていた俺は動揺してしまった。


「はぁ...って俺が!?」

「ええ。それ以外のだれがいるんですか?」


 俺はもうなにがなんだかわからなくなったのでなるようになれと寝っ転がった。


「もう少しこっちに来てください」


 彼女はそう言って彼女の太腿をポンポンとをはたいた。俺は完全にそこでフリーズした。


 って太腿?えっ?俺、聖女様に膝枕されるの?

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