第120話 横浜のヤマハ

 それにしても暑い。まだ暑い。もう暑いの飽きた。少々夏ばて気味だ。体調を気遣いながらの生活にシフトだ。二十代や三十代なら、何て事も無かったのに歳はとりたくないモノだ。


 僕が小学生だった頃、世間一般に、まだ田んぼはかなりの面積があった。地方都市などの町外れにちょっと繰り出せば、涼しげな風景として、暑いながらも延々と田んぼが続いていた時代だ。その後、都市化、宅地化されて、各地で緑地は公園という名で増えたが、水辺が延々と続く日本特有の稲作の水田は、みるみる減っていった。

 うがった記憶かも知れないが、この水田が多くあった頃は、ここまで暑くなかった。水辺の面積が減りまくった結果もこの暑さの原因の数パーセントは占めているのではないかと勝手に思っている。

 田んぼ以外にも用水路やため池などが縦横無尽に張り巡らさせていた1970年代の日本。減反や跡継ぎ問題、コメ相場などの不安定な要素が僕の見ていた田舎の原風景を休耕地や荒れ地に変えてしまったのかな? なんて思うときもある。まあ、恣意的な空想に過ぎないかも知れないのだが……。


 こんなエセ社会派っぽいことを僕ごときが言っても信憑性がないので、さて本題(笑)。


 少し前の話になるが六月六日にヤマハの横浜店がみなとみらいに移動した。長年愛着のあったお店だった。それまでは横浜西口の繁華街の先、東急ハンズとダイエーの近くにあった。十代のおわり頃から、以前も話したがエレキギターのスチール弦、エクストラライトゲージを買うために結構利用している。あとピックやら譜面やら、そのほかの小物を補給するときも。なんなら銀座の本店よりも頻度は多かったと思う。勿論、長居できるのは品揃えの点で銀座の本店なのだが、買い物優先の時は、横浜のあの規模の店舗は便利だ。その派生店舗として昔は横浜店のブランチ支店として藤沢にも店舗があった。無くなって二十年以上経つのかな? ちょうどダイエーのお隣のビルの一階二階部分だった。別に関係はないのだろうが、両店ともにダイエーに近いのが笑える。


 閑話休題。その移転したみなとみらい店に行ってみた。結構な売り場面積で銀座の本店にも劣らない、とは言いすぎかな? ここにはダイエーはない(笑)。代わりといってはなんだが、もう少し歩くとOKストアがある。

 新店舗はソニーの社屋の隣の建物で、姉妹企業の発動機と同じビルに一緒に入っている。その一部は傘下のピアノメーカー、ベーゼンドルファーのショールームも兼ねている。これは凄い進化である。昭和っぽいかつての横浜店のイメージは何処にもない。おしゃれで綺麗な店舗だ。

 思えば、今僕の持つ楽器、全部がヤマハになってしまっている。まあ、意図したわけでなく、必要上結果的にそうなったのだが、中学時代からお世話になっている楽器メーカーさんでもある。ポータサウンドPS-400、FG、SG、NPとそれにオーディオ製品、僕の傍らには何故かいつも日本楽器からのヤマハブランドがある。

 楽器を見ていると楽しくなる。キーボードもギターも見て触って、カフェでお茶してというのもいいなあ。今回は見学だけだったけど、次回はカフェにも寄ってみたい。カクテルやビールもある。若けりゃ、デートスポットにも使えそうである。人気スポットの横浜だしね。今回は急ぎ足だったが、もう少しゆっくりと余裕を持って各売り場を見て回りたい。そんなお店だった。銀座でお馴染みの音叉マークのどら焼きも置いてくれないかな、僕が知らないだけであるのかな?


アクセスはこちら

ヤマハミュージック 横浜みなとみらい

2F ライブ&カフェ

https://retailing.jp.yamaha.com/shop/yokohama-minatomirai/live-and-cafe



 

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