第107話 かつてのラジオ深夜放送の話
僕のローティーンからハイティーンの頃は、「セイ! ヤング」、「オールナイト・ニッポン」、「ミスDJリクエストパレード」、「パック・イン・ミュージック」「夜はこれから、てるてるワイド」、「クルクルダイヤル」、「百万人の英語」などなど多くの人気番組があった。
定期テストの勉強時間にBGM代わりに聴いていた人も多かったのではないだろうか。僕はわりと文化放送派だったので「てるてるワイド」や「ミスDJリクエスト」が多かったと思う。「百万人の英語」の頃にはうたた寝していた。
そんな総合番組の中のコーナー番組に「谷村新司の青春キャンパス」とか「武田鉄矢のキャレンジ名作ライブラリー」、「高石智也のジョギングジョッーキー」、「桑田・ザ・セーラーマン」、「シネマニア天国」、「さだまさしのセイヤング」などの番組をながし聞きしていた記憶がある。具体的にはあまり覚えていないが、「青春キャンパス」と「名作ライブラリー」はとても面白かったし、ある意味個人的にタメになった。
『赤尾の豆単』やいわゆる青春出版の「シケタン」、『蛍雪時代』の特集案内なんかの情報もこう言った深夜放送が情報源だった。なんだかんだで十三歳ごろから十八歳ぐらいまではお世話になった。
その後こういった単語帳から変化したのか、辞書そのものが親切な関連語解説モノとなり、新しい時代の辞書として登場してきた経緯もあった。定番不動の新聞読解やニュースの文章に強いとされた『コンサイス』、受験のために要点を分かりやすくした『アンカー』とか、その後の派生語や語源を網羅した『プログレッシブ』という英和辞典を開いたときは、目から鱗ものだった。もちろん三省堂、学研、小学館というまあ定番の大手出版社の辞書でもあるからお金をかけられたと言えばそれまでだ。ちなみに国語辞書は僕は断然、両巨頭、角川派であり岩波派だった。そんな大袈裟に言わなくても、ただの愛用者というだけのことなのだが(笑)。
本屋に行くと普通に並んでいる英和辞書も、内情に詳しいひとの意見で見ると自分のニーズに合った辞書があるなんて、深夜放送を聴いていないと出てこない知識だった。
深夜放送のおちゃらけ五割、感動二割、書籍雑誌のお役立ち情報二割、音楽情報一割が当時、僕が感じた深夜放送だった気がする。
深夜放送はこういった辞書や学参などの新刊が出る度にCMが流れて、あるいは番組内で紹介されて、翌日以降には書店に駆け込むということが 度々あった。中学当時の僕には学参や受験情報をキャッチする、それが格好良いと勘違いしていた(笑)。まあ、今更ながら、方向性が間違っているのは自分でも既に確認済みだ。
さて懐古感あふれる深夜放送の「♪辞書は三省堂~」とか「♪スジャータ、白い広がりスジャータ スジャータが○○時をお知らせします」、「♪文化放送~文化放送~JOQR」というのが今でも僕の脳裏に残っている。
そして近年、浜松町に移転してきた文化放送の社屋、たまに神明社にお参りに行くとき通るのだが、その建物を見ながらああ、そんな時代があったなあ、と思い出し、懐かしんで通り過ぎている。
若いときの記憶というのは本当に消えないモノなんだな、と実感である。最近覚えたことは電光石火のごとく消えていく。どうなっているのか、全くもう。ではまた。
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