第102話 女優という名の思い出

 もう時効というか、解禁というか、僕もおじさん街道の終盤戦のなので、ちょっと俗っぽい話。もう、こういう話を書いても差し支えのない歳になったということだ。思い出の中での僕が思う美人のはなし(笑)。


 ちょうど二十歳はたちごろの僕は、友人などに好みの女性タレントなどを聞かれると南野陽子さんと和久井映見さんと良く答えていた。多分僕の目から見れば、いまでもこのお二人はお綺麗だと思う。確か記憶が正しければ、おしゃれな生い立ちで、神戸のかたと横浜のかただったんじゃないかな? お二人は。僕は栃木の両毛生まれ、軽く残念!(笑)。


 良くエッセイに登場しているから、森高さんじゃないの? と勘違いをしないで欲しいのだが、森高さんを話題に出したのはその故郷の両毛。僕の町の隣町、そこの渡良瀬川に架かる橋を歌にしてくれたので、このエッセイでは何度か取り上げたまでである。まあ、当然、このかたもとても綺麗な人ではあるが、この頃の僕の理想的な女性は上述の両者だった。


 時期的には、南野さんは「吐息でネット」や『はいからさんが通る』、『菩提樹』の頃で、和久井さんは映画の『バースデイプレゼント』、『エンジェル 僕の歌は君の歌』あたりかな。


『エンジェル 僕の歌は君の歌』はエルトン・ジョンの「ユアソング」がBGMとしてしみるのと、ハートウォーミング・ファンタジーとして感動的なシナリオが好きだったなあ。今で言う日常系ローファンタジーなんだな。後にヒットした竹内結子さん主演の『いま会いに行きます』っていう作品も同様にローファンタジーの感動作品で、物語としては僕好みだった。


 そして和久井さんはあのマンガ家、尾瀬さんの代表作『夏子の酒』の主人公も演じていた。もともと好きなマンガだったので、和久井さん主演と聞いてちょっと嬉しかった記憶がある。


 この方々は今の女優さんでいうなら誰なんだろう? 浜辺美波さんとか松岡茉優さんあたりかな? 最近映画もとんと観なくなったので女優さんをあまり知らない。ちょっと前なら吉高由里子さんとか、新垣結衣さん、波瑠さんあたりかな?


 まあ比較のしようもないけど、和久井さんと南野さんが、かつて二十代だった時の僕の心のなかでは理想的美人女優さんである。


 でも歌声はダントツ薬師丸さんである。寝る前にかけるとほぼイチコロで安眠だ(笑)。この方は、和久井さんや南野さんより、世代としては少し前になるけど、角川三人娘もまあまあ好きだった。でもこの頃は中学生とかで、映画先行の趣味だったので、またここの話で主題にしている女優さん像とは角度が違って見ていたと思う。僕の中では純粋に物語を演じる女優さんだった。


 そんなわけで南野さんと和久井さん、いつまでもお美しく、銀幕で輝いて欲しいと願うばかりだ。

 ちなみに筆号の南瀬は南野さんとは違うので、ここでしっかり言っておこう(笑)。南瀬の南は、湘南の南、南瀬の瀬は渡良瀬川の瀬である。まあ言うなれば、僕に知と徳を与えてくれた、そして時に温かく守ってくれた両毛地区と湘南地区へのリスペクトである。そこで熟成されたという意味がこもっているのだ。って、僕はウイスキーか? ではまた。



 

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