第100話 祝・百話記念のどうでもいい回想回

「回想回」って、軽い回文である。と、本当にどうでも良い話から入るのが僕流。


 さて先日、『時神ときがみ暦人こよみびと』の新作、とりわけ「御厨みくりやに流れる時間物語」のシーズンのフィナーレの最終話を付け足した話。以前からどうも最後が気にいらなかった僕。やはり湯島澪ゆしまみお付喪神つくもがみの話から始まったので、それに関連する物語であのシーズンを締めたかった。そこで天から、高スペックではない僕の脳に降臨したのが、世界三大ピアノ、とりわけ隠し鍵盤の低音部を持つベーゼンドルファーの物語だった。一説にはオルガンで弾かれていた曲をピアノでも演奏できればと言う願いから八十八鍵の常識を打ち破った名器とも言われている(もちろん、ライナーノーツのうけうり)。これでプレイエルで始まり、ベーゼンドルファーで終わるという、僕の中でのシーズンを通したピアノオチ、まとまり具合は良くなった。


 本当に久しぶりの最新話である。さてアップしたのだが、副産物というか、相乗効果というか、いくつかの媒体で大部分の『時神と暦人』のプレビュー数が動き出したので驚いた(なぜかカクヨムさんはゼロ! ここの読者は興味ないというか嗜好性が異なるのかな? 笑)。まあ、いつものように断ってはおくが、僕レベルの数値で上がったという話なので大した数値ではない。そこは念頭に置こう。売れっ子さんや何千、何万単位の動きをする人たちと一緒のプレビューの動きと思ってはいけない。

 その百、二百レベルではあるが結構動いたので、珍しく僕は嬉しくなった。何故かって? 数値や数の問題よりも、このお話に興味をもってくれる人がちゃんといるんだと思ったから。独りよがりで、自分に正直に、心地よい物語を書き続けると言うことが僕の中でのこのシリーズのコンセプトだったからだ。それに共感してくれる人が予想以上いたということに嬉しさを覚える。そう自分以外にこのお話が楽しいと感じてくれるひとが一定数以上いることに感激したのだ。拙作、駄作とはいえ長年書いてみるモンだ(笑)。

 様子見や一見さんもいるので、本当のこの作品を目当て、ターゲットとしての来訪の方々の実数は、この数字の半分程度と思っているのだが、それでも新作影響からのプレビューに限定して半分としても百以上は越えるのだ。

 きっと僕以外の人はつまらないと感じる物語なのかな? と結構思っていたので意外なことで嬉しく感じた。


 さて百回記念、何の隠し球を出せるかと思ったのだが、特にそのような有益情報を持ち得ない僕は、前回のマンガの話の続きではないのだが、たまには本音に近い僕のお気に入りを少しお伝えしよう。

 音楽は割と本当に愛聴しているものを書くことが多い。それと同じく今回は論評調ではない愛読視点でのマンガだ。本邦初公開、って大袈裟に言ってみる(笑)。


 時代を超えて今でも良いなと思っているマンガ家さんね。ダントツ一位は細野不二彦さん、それと浦沢直樹さん、尾瀬あきらさんなのだ。作品としては浦沢さんは『二〇世紀少年』、『マスターキートン』の二作品。細野さんは結構皆好き。それこそ大衆向けの『さすがの猿飛』から『GUGUガンモ』、ちょっと知的なアートミステリー『ギャラリーフェイク』までね。尾瀬さんは『初恋スキャンダル』、『夏子の酒』が良かった。同じ著者の社会派の作品は僕向きではない。特に初恋スキャンダルの主人公、哲のアニキ、が好き。新聞記者だったかな? 久美ちゃんとの物語の流れは少女マンガをちょっと大人にしたプロットだった。石森プロにいると女性の描き方上手になるのかな? なんて。知的な部分で背伸びしたいハイティーンにはこれらの作品、マンガ家さんは良かったな。

 でも僕の世代、十代から二十代の頃の支持って、まつもと泉さんと桂正和さんなんだよね。両方とも『少年ジャンプ』だったなあ。僕はぱらぱらって程度の感じだけど、学校の友人は必ずと言って良いほど熟読していた。作品名ですか? 『きまぐれオレンジロード』と『ウイングマン』だ。


 さて僕の話。好きな作品、って言うのなら最近(でもないか?)、『夏目友人帳』、『XXXHORIC』、『君に届け!』などがお気に入りだ。

 あとキャラ限定で言うなら「かぐやさま」に出てくる白銀会長のお父様が結構好き。あ、早坂さんのお母様も好きかな。会長のお父様は何やって生活しているのかが、気になるのだが……。

 いつもは思い出話が多いので『すすめ! パイレーツ』とか『マカロニほうれん荘』なんていう七十年代のものをよく話題に挙げる。大ヒット作の『うる星やつら』や『ドクタースランプ』、『ドラゴンボール』なんていうのは誰もが目にするモノだから好きとはまた違うような気がする。一種の時代相的なマンガだ。

 さしあたって九〇年、〇〇年あたりだと好きな作品っていうのはこんなもんかな? でも昔ほどのめり込んで読むことはないなあ。おじさんは感性が鈍るんだろうね。思い入れも少ないしなあ。真面目なモノや不思議なモノが多くなって、ギャグマンガは少なくなる傾向だ。年齢なのか時代なのかは分からないけどね。


 戻って細野不二彦さんのマンガは、主人公が格好つけないところが好きで、そんなキャラを使って珠玉の物語を紡ぐからいいのだ。多分三作品、年齢の差こそあれ、先に挙げた作品のほとんどの主人公はダメ男です。姉貴にオモチャにされるはんぺんくん、絶世美少女の彼女を持つ適当男の猿飛くん、そして顔が厳つくて乗り物酔いの激しいツアコンの主任という訳の分からないキャラで物語は分かりやすくも、人情味溢れる展開が多い「りざべーしょんプリーズ」 。そんな細野さんの作品がお気に入りなのだ。


 さて無駄話が過ぎたようなのでこの辺でお開きにしたい。このエッセイを百話全部読んでくれた人には、もれなくお礼コメントでもしようかな?

尊敬に値すると思う。こんな中身のない雑文にお時間を下さった人に感謝。

 以前に、このエッセイを別のブログとして立ち上げ直そうかと考えていたが、今はブログとは別に、このエッセイはエッセイとして存続させることで考えている。更新頻度は減るかもなのだが。そんなわけで今後ともよろしく。ではまた。

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