第85話 久しぶりの連載新作回

 マリン嬢、ほぼ仕上がってきた。今回は才能が欲しいな、と痛感した創作作業だった。

 一応、概略のようなものからご説明。なぜ今回はナンバリングが「横浜番外地」なのか、なのだが、特別編だからだ。そのため初めてこの回から読む人にも分かるように、キャラクター紹介の説明などを本文に練り込んでいる。主には、主役の麻鈴と逢野、物語の展開役の使い魔サリー、特に必要はないが話に花を添えるための登場役小町という定番キャラクターに、毎度の依頼者登場というステレオタイプな構成だ。今回は資産家の娘、知床紫福しれとこしぶき嬢とその遠縁にあたるマダムの百合子氏である。

 ただ一つ違うのが、今回は回想シーン、いわゆるフラッシュバック・シーンを長めに設定して、会話説明で終わらせるのではなく、きちんと過去シーンを描写、まるまる章だてしてシーンに入れている。


 この過去シーンでお気づきのかた、そう赤川作品のあれ、この回想シーン部分だけは角川映画『探偵物語』のオマージュなのだ。それを気付かせるために作品中「ドジな探偵さん」というキャッチを随所に盛り込んでいる。なので、大人の百合子のモデルは現在の薬師丸さんである。


 百合子の過去シーンはそれを意識しているし、現在の百合子は薬師丸さんをイメージして書いたりしている。あの方の近年のとぼけ役柄が絶品なのと、厳しさに含まれた優しさを演技すると台詞に重みが出るので、そのイメージを拝借して執筆に活かしてみた。映画『オールウェイズー三丁目の夕日』や朝ドラの『あまちゃん』などで名演技を見せてくれていたのが、このキャラ作りでとても参考になった。


 そして麻鈴の連載中でこの回は、実は最終回の伏線を仕込んでおきたいので、長目の文章量になってしまった。回収作業としては、後に魔法学校で優秀な魔女に任命されることを目的として日々の行動や日記が点数化される(『がんばれロボコン』みたいだな)、逢野とは実は最初から結ばれる運命にあったという流れも差し込みつつ、最後はサリーが驚きの変化をするという納め方を目指している。あとはネタバレになるので秘密である。大した作品でもないのだが一応、勿体ぶってみた(笑)。

 そもそも僕のストーリーは、皆分かりやすいプロットで出来ている作品ばかりだ。複雑なモノなど、僕のこの壊れかけの頭で作れるわけがない(笑)。この作品も例外ではなく、いつも通り踏襲してシンプルだ。ネタ風に言えばベタだ。それじゃないと僕の書く気力が失せてしまう。そんな弱っちい趣味作家である。


 楽器音楽モノにした理由は、謎ときの答え合わせに整合性を持たせるための手法だ。文学作品のタイトルだとすでに『時神と暦人』の「第5話 ♪女神フローラの住む薔薇のアトリエ」にてやっている。なので今回は曲名で、という模様替えと高尚で高価な楽器ものとの対比で俗物的な逢野を活き活きさせるという効果を狙ってみた。僕の作品には少ないタイプの男性キャラを活躍させてみた。


 逢野のモデルは多分『探偵物語』の辻山ではない。どっちかというと亀有公園前派出所の両さんやコナンくんに出てくる毛利小五郎、そして刑事コロンボあたりかも知れない。ただし、しっかりとそれらをイメージしているわけではないので、あえて当てはめればと言う参考までの所見だ。


 一応読んで頂けるまでになってはいるが、日々改良点をてこ入れしていこうと思っているので、このひとつきの間は改稿にて細かな部分が変わることもある。その辺はご了承願いたい。そして以前に公開はクリスマスまでにと言っていたが、見事に年越ししてしまった。♫素直にアイムソリ~、って感じで許しを請うておこう。ではまた。


追伸 大相撲始まった。どうかな? 今場所。

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