第69話 バブル所感-個人的見解-
NTTの株がにわかに脚光を浴び始めたあたり、中曽根政権の終わった辺りに、うーん、1986年から87年辺りかな? 僕の記憶では、その頃から1991年辺りがバブルと感じているし思っている。92、3年ぐらいまでは崩壊したと言っても、経済は回っていたし実感は感じなかった。その後じわりと感じ始めるのだが。
たまに86年、それ以前をバブルと言っているドラマや映画を見ることもあるが、少なくとも僕は実感しておらず、ナメ猫やリーゼントお兄さんたちがバイクで、すっ飛ばしていた1980年代の前半時代は、僕の中ではバブルではない。広義的に解釈しても当てはまらないと思う。
その特徴、1986年あたりからディスコブームで、ボディコンやブランド品で着飾った女性、DCブランドの大きめのスーツの男性、タクシー大好きな社用族、空前のスキーブーム、24時間戦えるドリンクのCMなどだ。
音楽もリミックスやドンカマ(電子ドラム)などが多用されるモノが多くなり、アイドルとディスコミュージックの垣根がなくなった頃だった。森高さんの『17才』やウインクさんの音楽にその傾向があった。この時代はアコースティックよりも規則的なリズムの、より発展した電子楽器が主流。
経済が恐ろしく好調で、バラエティー番組に経済の要素が入った『カノッサの屈辱』とか、深夜番組も恋愛ネタであふれかえって、居酒屋もファミレスも24時間営業しまくりで、まるで毎日がお祭り騒ぎと化していた。飲食店のバイトの時給も日進月歩で上がり続けていた。変な時代だ。
その頃、僕は大学や大学院に通いながら予備校で教えていた頃だ。安アパートで真面目に家と大学の往復をして、バイトに勤しんでいた。つまらん人生の始まりはその辺から来てたのか(笑)。
その頃の楽しみって何だったのだろう? まあ交際していた彼女とのデートも楽しみだったが、その時代のデートはドライブが主流で、当時、僕は車を持っていなかったので、そう言った意味では彼女には物足りなかったようだ。よくぼやかれた(笑)。あとは図書館、本屋、文学三昧だった。やはり変人である。朴念仁とも言えるのかな?
ただ今思い返すとバブルを懐かしむ人たちって、その当時に学生だった僕らでなく、当時会社でそこそこ経費を使えた人たちだったと思う。だってハンバーガー店のサンキューセット囓ってた僕たちの世代は、特に贅沢した記憶もないのだ。親が大会社の子息や令嬢ならその恩恵もあるが、直接は該当しない年齢である。
大学院に進んだ僕は内定の連打だったという就職の好景気も横目で見ながら実感していない。「拘束日は入社旅行だ」とか皆言っていた。そんな経験もない。だから「バブル最高!」って言われても、「そうなの?」と言うか、「僕は部外者」というのがオチだ。共感はほぼない、悲しいことに。とほほ……。
ただ、いま思うのは、少しでも景気が上向くことかな? まあ、一個人、僕の力ではどうにも出来ない話である。『失われたうん十年』とかももう聞き飽きたしね。雇用と景気が上がれば、経済が回るらしいので、バブル程の波は、もういらないから少しでもよい時代に向かって欲しいモノだ。
そしていつまでも続くこの夏もいい加減終わって欲しい(笑)。ではまた。
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