助けて

日本語破綻者

第1話助けて

 俺は呪いをかけられた。遡る事数千年前、悪事を働いた俺に呪術師が呪いをかけた。

 それは止まると死んでしまう呪いで、死んでも輪廻転生して繰り返す呪いだ。生まれて意識が芽生えた瞬間その呪いは発動する。

 意識は人間として残っているが、様々な生物に生まれ変わってきた。マグロとして生まれ止まって死んでしまい、蟻として生まれ止まって死んでしまったりした。

 呪いを解く方法は一つ。人間に頭をなでなでされ、愛を与えられる事だ。しかしその機会は殆どない。マグロに時、泳ぎながら撫でられる事は殆ど不可能に近いし、蟻の場合でも潰されてしまう。

 が今はカブトムシに転生している。秋が近づいて、生物としての終わりも近いが私は歩き続けている。止まるとどの道しんでしまうからだ。

 ようやく人間のいる場所の近くに転生出来たのに、人間に触れられる機会は巡って来ない。

空から鳥が近づいているのが目に入った。

くそっ、また鳥に食べられてしまうのか。

虫として死ぬのは何度目なのだろうか。

次は何に転生するのだろうか。犬や猫はまだ転生した事がない。犬猫ならば呪いが解ける可能性は少しは高まるだろう。そう思いながら鳥に咥えられ死んだ。

目が覚めたらチーターだった。

くそっまたハズレか。

俺は走り続け、疲れて立ち止まり、また死んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

助けて 日本語破綻者 @mojiuchisyuukann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る