追放 ◇

「坊っちゃん……本当に……ごめんなさい……」

「気にするな」

「でも、僕がちゃんとアシュリーを育てていたら!」

「双子が何言っているんだ、お前はよくやってくれている」

「……」

「これで良かったんだ。俺は魔法より、翻訳の方が楽しい」

「坊っちゃん」

「忙しくなる。まずは家をどうにかしないとな」


◆◆◆


『うっかり婚姻しちゃった吸血鬼は、何があろうと物語を求める』より、クロード・アルフェラッツとアッシュ・シラー。


 主人公たるブランカ・ホバートと出会う、一年前の話。

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