別れるまでに白熊と ◇〈400字〉
まふちゃんを一人にしたくないのと、何度もまーしーは俺に言う。
「小冬ママはふぶくんが一緒にいてくれるから大丈夫だけど、茉白が行かなきゃ、まふちゃんには誰もいないでしょ? ゴーパパとの約束破っちゃう」
だから茉白は行くんだよって、毎日毎日。
「……それでもよ、淋しいよ、俺」
「まふちゃんに頼んで連絡するから大丈夫! お休みが三日くらいある時は帰るから!」
交通費は俺が持つと言ったら、茉冬も頷いてくれた。それでも……それでもよ!
「行かないでくれよまーしー! まーしーがいなくなったら俺、俺、どうしたら……!」
「ふぶくん元気出して、茉白も淋しくなっちゃうよ……」
「まーしー!」
「いやいつまでやってんの、いい加減落ち着いてよ兄さん」
分からず屋の妹は、むぎゅり合う俺達を今夜も冷めた目で見ている。
「あのさ、自分の人相の悪さ自覚してる? 台詞とのギャップが……」
「まーしー!」
「……」
この温もりが消えるまで、残り僅か。
◆◆◆
『白熊のいる日常』より、白雪吹雪と茉白と茉冬。
ふぶくん、最初からいたわけでなく、途中から兄が欲しくなって生まれた人なので、一人暮らしするまふちゃんにくっついて出ていくまーしーを、何で許せたんだろうとかたまに考えます。
黒椿ブラザーズも、恋愛展開やりたくて生まれた人達なので、惚れた男地元に数年も残して大丈夫? 冷めない? とかもたまーに。
……まぁ、
・彼はお兄ちゃんだから。
・冷めません、
に落ち着くのかなー。
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