白熊とお買い物 ◇〈400字〉

 まふちゃんの髪は黒くて短い。

 ゴーパパよりは長いけど、小冬ママよりは短い、肩くらいの長さ。


 今日は百円のものがいっぱい売ってるお店に来てるんだけど、変なの、百円じゃない物がいっぱい売ってる。何でなんだろう。

「ねえねえ、まふちゃん」

「どうしようか……」

 まふちゃんはお花を持って考え込んでた。

 真っ白な薔薇には緑色の茎じゃなくて、黒いゴムがくっついてる。

「足りるかな、これ」

「可愛い!」

 思わず叫んだら、しぃって言われちゃった。

「……茉白欲しい」

「……欲しいの?」

 頷いたら、カゴに入れてくれた。

「それ、百円?」

「……まぁ、うん」

 じゃあ大丈夫だ!

 わーいわーいって小声で言いながら、ちゃんと控えめに万歳してたら、もう一個まふちゃんはカゴに入れた。

「……私も、欲しいかな」

「お揃い!」


 だけど、しばらくはおあずけ。


 お家に帰って着けようとしたけど、まふちゃんの髪は微妙に結べなくて、もう少し伸ばしたらねって。

 早く伸びてー!


◆◆◆


『白熊のいる日常』より、白雪茉白と茉冬。

 去年、スリコで白薔薇のコサージュ買ったなーと、ふと。

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