凶器は抜かれた状態での発見 ▲〈400字〉

 安助柳、享年1■歳。

 彼女の死体は、彼女が助手を務める探偵の事務所で、ソファーに座らされた状態で見つかったが、実際に殺害されたのは別の場所である。


『どうしていつも、手を繋いでくれるんすか?』

「君が繋いでほしそうな顔をするからだよ」

『本当に? 自分が繋ぎたいだけじゃ?』

「……まぁ、それもあるな」

『あるじゃないっすか』


 事務所の監視カメラには、黒いレインコートを着た人物に背負われる彼女が映っている。


「……あの頃はさ、できなかっただろ、色々」

『……できませんでしたね、立場的に。目を合わせたり、一言二言しか会話することも……あれ、会話っすかね?』

「あの頃は会話だったよ」


 監視カメラの映像は多少不鮮明ではあるものの、そこに映る背格好と、安助柳殺害に使われたと思しき凶器により、数年前から巷を騒がしている『短刀使いの殺人鬼』による犯行という方向で、捜査は続けられている。


『……そろそろ、手以外も、どうっすか?』


◆◆◆


『きままにショートブレッド』オリキャラ、鬼桜唯我と安助柳。


うちの安助は冷たいけど触れるのです。他の人間には姿は見えません。

第一発見者は事務所の主にして探偵、安綱守侍。

凶器は公式にはまだ見つかっていないことになっています(安綱は探し出して見つけたそれを警察に提出しなかった)。

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