第8話 幸運が転がっていた
開口部から頭だけ出してみると息も出来て問題はなかった。
首を巡らせてライトで照らすと幸運が転がっていた
けれど僕はすぐにため息を吐いた。
エレベーターの上に登って30分、僕は下に向かって声をかける。
「誰かちょっと手伝って欲しい」
「おう、何をだ」
「可動部分があるからできるだけ上の方を掴んで、
これをエレベーターの外に並べておいてくれ」
僕が開口部から左足を下すとドンッとエレベーターのカゴが揺れる。
「揺らされると危ない」
「お前先に言え!」
「……?
7~15㎏くらいだからそんなに重くはない」
「はぁ~あ、わかった」
脚部、両腕、胴体は持ちにくかったがどうにか渡せた。
女性型だったので長い髪の毛は掴んで下すのに重宝した。
落ちていた篭を拾って散らばったポケットティッシュを戻し
端末を小脇に挟んでドールの服を肩にかける。
梯子から降りるとゾノにポケットティッシュのカゴを押し付ける。
「拾った」
銀板宇宙のアルストロメリア 流星未来 @ryusei_mirai
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