第7話 電磁エレベーター

エレベーターの前に座り込んで内カゴの天井を見上げて点検用のパネルを確認する。

そのまま回数表示板など外側をざっと観察をして、立ち上がって

中へ入ろうとした僕にルシーダはまた声をかける。


「あんたそれ落ちない?」

「エレベーターが上からつるされている?

この機工惑星でエレベーターが上からつるされてるなんてそんなことはないよ。

側面の電磁パネル、マグネットのようなもので空中に浮いた構造で。

ああそうか、そのまま射出すれば宇宙には飛び出せるか」

「あんた何考えてるのよ、そんなもので宇宙に飛び出したって死ぬわよ」

「生態は死ぬね」


僕は端末をタップしてアルストロメリアに指示を出す。


「その場で止まれ、スパイアイを射出しろ、ゆっくりと周囲を警戒して進め」

「了解しました。マスター」


端末に注意を払いつつエレベーターに乗り込むと正面奥の床近くの壁の蹴り飛ばす。

カコンという音がして右手側に現れた凹みに手を掛けるとそのままスライドさせる。

掛かっていたものや置いてあったものは適当に掴んでエレベーターの外に置く

安全性のあやふやなヘルメットをかぶって工具セットを腰に巻いて

奥にあったレバーを引く

アナログ構造の天井のパネルが音を立てて開くと

埃をかぶった紐でくくられた梯子が出てきた。


僕は一体何をやっているんだろう?

紐を解いて梯子を下すと、ヘルメットのヘッドライトを付けて

梯子に手をかけてエレベーターの上へとのぼり始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る