第5話 解析と探索

ざっと映像の解析をしたところ多脚の機工兵器が乗り込んできて

暴れまわっている姿が映っているので大型の侵略のようだ。

僕の家でマザーが言っていた通り75%が接続不能領域と化したこの地域で

地表に設置されたアクセス可能なドールは1体だけだったし、

損傷によって機能は30%程度しか動かせない。


そのドールを動かして現在の地上の様子を捉えようとしている。

僕は天才だったかもしれない。


「何ニヤついているのよ。安全かどうかわからなくて地上に出られない、

空気がなくなるかもしれないって言うのに」

「空気。アルストロメリア、ここから取得可能な空気ってある?」

「空気……空気タンク、そのようなものはありません。マスター」

「地上に毒ガスが発生していないかと、地上の酸素濃度を調べればいいのよ」


給仕の女の発言にイラついた僕は端末をタップして地表のドールを動かし

毒ガスの有無と酸素濃度を調べた。


「現状地上に出ることは問題なさそうだよ」

「それで?この地下五階から地上に出る方法を考えなきゃ無理でしょ」

「ああ、そういえばそうだったね。僕の家はどうなっているだろう?

でもここと区画が違うから移動しない方がいいかな。

隠し通路の破損個所から何かが侵攻してきたんだっけ、

ということは地表まで貫通していてあそこから出られるかもしれない。

僕のアルストロメリア

この通路を通って誰にも見つからないように用心して探索して

映像を僕のこの端末に送信し続けてくれるかな」

「了解しました。マスター」


僕は遮蔽装置を解除するとアルストロメリアが去っていく後姿を見送って、

周りを気にせず座り込むと端末の映像に齧りついた。

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