episode No.8 黒影の脅威



『????研究室????』




「今年の新入生も中々良い能力が揃ってますね〜ランク付けのしがいがありますよ〜」


「そうですね。しかし、昨年度よりは少し見劣りしてしまいますね。」


「そりゃあ昨年は本当にイカれてましたからね〜あれと比べるのは流石に酷でしょうよ。」


「確かにそうですが.......今年度はまともな人が多いのが気になってしまって。」


「確かに去年は狂ってる奴らが多かったですけど.....そんなに狂気って大事ですか?」


「狂ってる奴らは今までのデータによると全員もれなく強いですからね。」


「某漫画達と同じ理論ですね。でも使うとなると急に難しくなりますよね。」


「まぁ、こっちのは強さよりかは遂行できるかどうかですからね。」


「そうですね。ところで........」


「?」


「次、俺の注目してる試合があるんですが、賭けませんか?」


「良いですね。やりましょう。」


「じゃあこの、佐堂 泰晴 vs 虚偽波 花蓮 どっちが勝つと思います?」


「う〜ん.....花蓮の方じゃないですか?流石に無能力者とじゃあ話になりませんよ。」


「分かりました。じゃあ俺は泰晴の方に5万。」


「では私も5万で。」


「さ〜て、どっちが勝ちますかな〜?」

(前の試合でアイツは恐らく土壇場で能力を判断してた。さて、これが出来れば合格!今夜は徐々園だ!)






『準備室』



「ふぅ.........やってやろう。」


 俺はそれなりに大きなため息をし、やる気を出した。生憎と相手がとんでもない男の娘だった場合でも、本当に奥の手を使えるように。


「よいしょ。」


 俺は自分のバッグに奥の手とその他の道具を持っているかの再確認をし、コートに入った。




『コートA』




 コートに入った俺は、対戦相手の方を確認すると。


(うん......案の定........というか......なんで人殺せそうな槍持ってんだ......?頭湧いてんのかコイツ......)


[相手視点]


(えっ.......何でこの人釘バット持ってるの?え....?いやいやいや!無能力者でもダメでしょ!幾ら我の力が強大だろうと、普通に大怪我だろ!?頭アンデッドかよ!?)



[視点回帰]



(う〜ん......どんな能力かわかんないし、とりま状況次第で、奥の手。それ以外だったら......うん。なんとかしよう.......)


ビッビビー


始まりの合図が轟く




(さぁ.......どうく........ん?)


 開始してすぐ、かなりの量の黒い人型の影の様なものが俺の方へ向かってくる。


(つ.....!はっや.......でも避けれない程では無いか?)


 俺は右足で地面を蹴るようにし、黒い影?を避ける。


 ドッドッド


(クッソ......避けられはするけど影っぽい奴のせいで全然近寄れんな.......)


 俺が避けるばかりで手も足も出ずにいると、



グッッッ


「イッッッッ......」


 腹部に悶絶する程の痛みが響く。


(........あ.......あ.....痛過ぎて頭回んねぇ......とりあえず状況判断はしないと.......)


 辺りを見渡すと、相手は見えず、相変わらずの大量の影が........ん?影?


 相手の影が俺の目の前に居た........


スッ......


(っ.........!)


 黒い影が、俺の体を透かした瞬間、さっきと同じような痛みが響く。思わず腹部を押さえてしまった。一瞬足を止めようとしたが、避けるのを止めるわけにはいかない。俺は影を避けながら、どうにか相手に近づこうとする。

 ところがどっこい相手が何処にいるのかわかりません!どうしましょうか?


(クッソ........あ〜......でも何となく詳細分かってきたかも........だからどうしたという感じではあるけども......)


 そんな感じで避け続けること15秒。思ったより時間が進まないのは授業と同じ様なものだからだろう。(苦行)


 そんな事を考えていると、相手の影による攻撃は苛烈になっていく。


(あっ........ヤバくね?)


 避け続けていると、相手の影に囲まれてしまった.......ホントにどうする........これ........






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