episode No.5 無傷暴風と暴力賢人


(あ〜.....まじでどうしよ.....この前気絶させたチンピラじゃんしかも殴ってきた方の.....やばくないか?これ.....俺めっちゃ恨まれてるよなぁ.....えっと、現在の所持品は、

・ライター・ドライバー・アルコール消毒スプレー・いっぱいの石

これでなんとかなるといいなぁ....前の時はこいつだけ能力使ってないからわからんのよな.....)


「各自初戦のため、一応の説明を。制限時間は1分間。勝敗は対戦前に纏った防御膜の耐久値を参照し、判断します。試合終了時は防御膜を利用し、各選手の動きを止めさせて頂くため、ご了承下さい。それでは準備はよろしいですか?5秒後に始めます。5....」


ガシャ


 控室からのコートへの入り口が閉まる。


(とりあえず石いくつか持っとくか......後は状況次第だな.....)


「4.....3.....2......1.....スタート!!!!」


 ビッビーッビ!


 始まりの合図が轟く


「さぁ!くらえやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ボオオオオオ!!!!!


「っっっ!!!」


 風が俺を地面に叩きつけるが如く猛烈に吹いている


(体が重くて動きにくいな.....でも動けない程ではないか......)


  俺は石を手に持ち、チンピラの方に向かう


「おらぁ!!!」ブボオオオオ!!!!


 ただでさえバカ強い風がさらに強く抑えつけるように吹く。そのせいで、俺はうずくまるようにして、その場から動けなくなってしまった。


(あ〜これ動けないわ....どうしよう ......残り時間は......後40秒か......というか、なんでわざわざ跪かせるような感じの風の向きなんだろうか......しかも春とはいえまだ寒いし......)


「ん?」


(あれ?これいけるんじゃね?)


 相手の方を見るとかなり余裕な顔をしている。


(あ、いけるわこれ。)


シャ-シャ-カチッ ブオオオオオ


 俺は消毒スプレーの中身をぶちまけ、着火した。


ボオオオ!


(よし!風の勢いが弱まった!今のうちに、)


 俺は石を取り出し、相手に向かい走り出す。


「チィッ......」


「スーッ」シュッ →グッ


(よし、命中!)


ビッビーッビ!


「っっっ!!!」


「!?」


 終了の音がなり、体が全く動けなくなった。


(なるほど......これがか......すごい違和感だな.....まぁなれるしか無いんだろうけど....ま ぁ、どうせ年1だしあと2回だけだし、慣れる必要もないか。)


「以上で1回戦を終了します。試合に出た選手は速やかに自席に戻り、次の試合の準備に当てて下さい。」


(ふぅ、なんとかなったな。次もこんな感じにいけば良いけど、そんなわけねぇしな。)


 俺は控室に置いて置いた荷物をとり、自席に戻る


(戻る途中)



「おい、そこの無能。」


「.............」


「おい!そこのキチガイ!」


「?........あっ、俺?」


「お前以外に誰がいるんだ。」


「いるだろ。小説とかに。」


「フッ、お前は馬鹿か?」


「弱いから安心しろ。」


「会話をしてくれ。」


「それで何の用だ?俺はそんな暇じゃ無いぞ。まぁ聞きたい事あったし別に良いけど。」


(なんだコイツ?情緒が不安定過ぎやしないか?)


「お前に聞きたい事があるんだが、まずはお前の疑問を聞こう。」


「なんで?」


「俺の質問は中々に気まずくなりそうな質問だからな。先に話すとお前が聞きにくくなるなら先に聞くまでだ。」


(コイツ実はまとも?)


「じゃあお言葉に甘えて。まず、お前の名前は何?」


「貴原楓(きはらかえで)だ。アナウンス位聞けよ。」


「なるほど。2個目、お前らが兄貴と慕ってるあの褐色の筋肉は結局、用心棒?それとも兄弟?あと名前は?」


「.......あの人は俺達の憧れの人だ。誠に勝手に兄貴と呼ばせて頂いている。用心棒では無いが、相談に乗って貰ったりして時に俺達の手助けもして下さっている。要するに舎弟関係の様なもんだ。名前は言えない。約束してるから.......」


「はぁ......お前らの家ってもしかして金持ち?」


「?確かに人よりかは金持ちだが?」


(やっぱりか......話を聞く限りコイツとその愉快な馬鹿共は金持ちのおぼっちゃまのせいで世間知らず。恐らく反抗期でグレたせいで褐色ゴリラに出会った。で、反抗期と何か吹き込まれた影響で変な自信が付いてしまった。そのせいでで学校でイきがってしまった。俺の事を殴った件もあるし、変な武勇伝でも聞いて自分で出来るとでも思ったんだろう。童貞が他人の初体験聞いて知った気になるみたいなもんか。)


「質問はこれくらいだな。お前の質問にいって良いぞ。」


「.......では聞くが......」


 楓は覚悟を決めたように俺に質問をした。



・・・・・・・










「"お前は兄貴を殺したのか?"」


「は!?」






次回へ続く











「俺」はどれ位の頻度で使った方が良いんだろうか?



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