episode No.2 バレなければ犯罪じゃ無いという犯罪者のクソ理論
(さて、どうやってこの場を切り抜けよう?)
人数的にも能力的にも圧倒的不利.....まず用心棒を油断させるところからだな.....
「用心棒さん!タバコとかお吸いになりますか?僕ライター持ってますんで!」
「そうかwじゃあ頼むことにしようw」
俺はバッグからライターを取り出し、ゴキジェットを取り易い位置に配置した。
「ささっ、どうぞどうぞ。」
「はっはwww情けねぇなwww」
「流石先輩の兄貴だぜ!」
「流石だぜ!兄貴!」
カチャ(ライターの音)
兄貴と呼ばれている用心棒がタバコを取り出し、火のついたライターにタバコを咥えたまま近づけてきた。
(今だ)
俺はゴキジェットを取り出し、ライターの火の部分に吹き掛けた。
グボォオボォオ
「ウガァギャァァァァ!目がぁ!目がぁ!」
用心棒の顔面が炎で焼ける
「兄貴!?大丈夫ですか!?おいお前!何をしたんだ!?」
(簡易火炎放射でなんとか厄介な奴の顔面を焼けたから多分目は見えなくなったはず....ただ能力者が3人もいるうえに、それぞれの能力ランクも不明.....危機的状況には変わり無しか....)
「おい、やるぞお前ら!兄貴の仇だ!」
「おう!」
(やる気ありすぎだな.....さて....どうでる?)
「オラァァ!くらえや!」ボボボボーボボボ
オット
(なるほど....1人は炎の異能力。火力と発射速度はあまり大したことは無さそうだな。どちらにしろさっさとやっちまうか。)
俺は新品のゴキジェットを持ち、勢いよく走り出した。
「く....来るな!」ビリビリビリ
「チッ......」
(電撃系の異能か.....これめっちゃ痛いからやなんだよな....しかも見えずらいし....)
ボゴォ「グエ」 ボゴォ「ガァ」 ボゴォ「ゴギィ」
(うっし!3人とも気絶させられたしやっぱ物理最高!)
「痛い.....痛い.....」
(1人めっちゃ苦しんでる人いるな.....どうしよ?まぁ病院行けば治るし大丈夫だろ!さて、さっさとこの場からトンズラしますか。バレるとやばいし、どうせ無能力者の俺が火傷させたって信用されないだろうし。)
グボォオボォオ
「少し炙って能力者がやった感出しておこう。」
少年帰宅中
解説
スプレー内での粒子をライターの火で燃える為、疑似的な火炎放射になる。しかし、派手な見た目の割に威力は低く、風向きの影響を受け易いため、見掛け倒しも良いところの性能である。まぁ、目に当たればそりゃあクソ痛いので、一部の危機的な状況以外ではあまり使えないぞ!
尚、泰晴は無能力者の為、護身用としてはこれ以上無いほど頼りにしているぞ!
⚠︎この擬似火炎放射で火事が起きた事件も有ります。現実では絶対に真似しないようにしましょう。
『学生寮C』
「ただいま〜つっても今の時間は誰もいないけど。」
神無月高校には金銭的な余裕のない生徒や県外の生徒でも通えるように、寮制度があり、食費や雑貨費などを学校から支給される。まぁ、金銭感覚を鍛える目的もあるんだろうけど。寮制度と言ってもルームシェアだから俺みたいな陰キャラには少しキツいものがある.....
(とりあえず自室でパソコンでもやるか。学校からなんかお知らせ来てるかもしれんし)
『自室』
「さ〜て、なんかお知らせ来てるかな?....おっ、来てる来てる。え〜と......」
今年も異能力測定対戦をやることになりました。
日にちは4月29、30日にあります。2、3年生の生徒は前回の反省を活かし、ランク向上に努めましょう。また、新入生の方は以下の規則を確認しておきましょう。
1:対戦の際は基本的に異能力以外に使用は認められません。しかし、異能力を活かす為に必要な物であれば申請して頂ければ、許可します。
2:対戦は1〜3年生の混合でやります。しかし、一方的にやられたからと言って、低い評価を下すという訳では無いので安心してください。評価には一定の基準がございます。
3:本異能力測定対戦は、大会式の測定です。その為、運によって勝ち上がってくる場合が有るかもしれませんが、先述の通り、評価には一定の基準がございますので、評価が実力以上になるということはございません。
4:対戦での評価はそのまま自分の異能力ランクになります。異能力ランクは1番下から
Fランク:無能力者
Eランク:一般人クラス
Dランク:使い慣れている一般人クラス
Cランク:熟練の能力者
Bランク:特異質な能力者
Aランク:スタンダードな異能力を極めた者
Sランク:能力が覚醒しているor覚醒予備軍
となっております。異能力は鍛えれば鍛える程使用者と共に成長していくので、高いランクを目指す為に、訓練を欠かさず行いましょう。また、使用者がどれほど使いこなせているかで、ランクが変わることもあります。
「なるほどね〜俺はどんだけ頑張ってもFだろうしな〜とりあえず道具使いまくって荒らす覚悟でやるか.....まぁ残り1週間位あるし、ぼちぼち作っていこ。」
その後何やかんやあって次の日
俺が教室へ向かう途中
「本当です!俺達はアイツにやられたんですよ!?どうして信じてくれないんですか!?」
何やら先生とチンピラ達が口論になっている。
「う〜む....現場に佐堂がやったという証拠も無い上に、お前らは何者かに焼かれていた形跡が有った。状況的にも犯人は炎系の能力者として警察も捜査している。しかもお前らを殴った凶器も見つかっていない上にお前らが佐堂を殴って白い目を向けられた事は聞いている。悪いが諦めてくれ。」
「チッ。って泰晴!お前!お前が俺達をボコしたんだろぉ!?」
「え....なんのこと?俺がそんな事できるか無いじゃん....そもそも焼かれてた件はどう説明するんだ?」
「それは!」
「はいはい、とりあえずそこまでだ。早く教室に行きなさい。」
「でも.....コイツが!」
「すまんな佐堂。無視して行ってくれ。」
「あ、わかりました。」
俺は先生の言うことに同意し、教室へ向かった。やっぱりバレなければ何をしてもいい理論はクソだな。思考が犯罪者なうえ、やられるとクソ腹立つし、胸糞悪い。
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