傭教施設の生徒紹介(イリル、クレーナ)
イリル・ガーネット
年齢16歳 帝国出身
性別 女性
身長160cm
貧しい家の出で、母と妹の3人家族(父親は借金を3人に押し付け、逃亡)。
元々は、妹と帝国随一の魔法学園に在学していた。(彼女は魔法と勉学の才能があり、それを見込まれ今まで誰も取ることができなかった特待生制度を取得し、そのおかげで入学金からなんやらまでを補償された。妹も同様)
しかし、その才能や見た目(ボロボロの服や乱れた髪型)、身分のせいでいじめられることが多く、一時期自殺を図ろうとしていたが、ある人物の言葉により救われ、今では十人中十二人が二度見をするほど美しくなった。
絹のように滑らかな銀髪に、モデル顔負けの美しさと燃えるような赤い瞳(赤い瞳をもつ者は狂花病にかかっていたと言われる)、そして豊満なバストといったまるで別人のように変わる。
ある人物に会うために傭兵を目指しており、将来的には頭脳で色々な作戦を立てたり魔法で援護をする役割を担う。これは傭兵業界ではとても貴重な存在である。
そのためこう呼ばれる。
"
クレーナ・ラミィ
年齢15歳 王国出身
性別 女性
身長155cm
幼い頃から親はおらず天涯孤独で、王国のスラム街を拠点として色んな店や家から盗みを働いていた。
しかも、それを手助けするように彼女にはある才能があり、それは、
"未来予知"
それも数秒先を必ず当てるほどの能力で、数秒先が分かれば、次に相手がする行動がわかるため対処ができるようになり、また、魔法の才能もあったため13歳までは誰にも捕まらなかった。
そう、13歳までは………。
13歳の頃、ある盗賊団が金銀財宝をかき集めているという噂を聞き、盗賊団のアジトへ向かおうとしていた。
しかし、この日は運が悪く、年に一回ある、ブラッドムーンだったのだ。
ブラッドムーンは、その名の通り月が赤く染まる日のことで、その日は魔物が凶暴化し、小型魔物でさえベテラン傭兵でも手を焼くほどの強さであった。
しかも、雨が降っていたため彼女はブラッドムーンだというのが分からなかった。
彼女は、人の通りが悪いことを不思議に思っていたが、雨がふっているからだろうとそこまで危険視していなかった。
そして、アジトへの道中。
残り数百メートルでアジトに辿り着くであろう所で、急に未来予知が発動した。
それは右から小型魔物が襲ってくるというもの。
未来予知には一つだけある欠点がある。
それは、任意で発動できないこと。
自分の身に危険が迫っているときに強制的に発動する。
そして、人間急には反応できず、あっという間に小型魔物から一撃をくらい瀕死の重傷を負ってしまう。
しかし、これで諦めないのがクレーナであり、最後に一泡吹かせようと彼女が考えたある魔法を発動させた。
それが、"黒の
それは1日分の魔力を全て使う代わりに相手を閉じ込め窒息死させるというもの。
小型魔物は何も見えず、何も聞こえず静かに死んでいく。
しかし、彼女も限界だった。
彼女は死ぬことに恐怖は無く、むしろこの腐りきった世界から解放されることに感謝していた。
しかし、一つだけ、ただ一つだけ心残りがあるとすれば………。
「誰かに愛して……ほしか…った………。」
彼女は、産まれてからずっと孤独であり、誰からも愛をもらえなかった。
死ぬ前に愛を貰いたいというこの願いは………、
ある男によって叶えられた。
その男は、瀕死の彼女を見つけ、その願いを聞くとすぐに、ある禁忌を起こす。
「大丈夫だ。必ず君を救う!」
それは、自分の寿命を使いその寿命によって得た魔力を彼女に与えるというもの。
これは、自分の寿命を犠牲にするため禁忌だと恐れられてきた。(無論その男はそれを知っていたが)
魔法を使える人間にとって、魔力は言ってしまえば生命の泉である。
しかし、人間の魔力はとても少ない。
そのため魔力を与えたとして治せるのは切り傷程度。
しかし、男の魔力はとても多く、そして禁忌を犯したため、彼の魔力は瀕死の人間を全快まで回復することができた。
☆☆☆☆
(クレーナ視点)
私が目を覚ますと、すぐ隣に男が眠っていた。
私は、その男を警戒していたが、すぐに自分の体の違和感に気がつく。
傷がないことだ。
さっきまで血を流していたはずなのに私の体にはどこにも傷が無く、体調もいたって普通である。
(これは一体どういうこと?)
と、頭を回していると、男が起きて、
「ん……。っと、あの子は無事かっ!……て、もう起きていたか。どうだい、体の調子は?」
私を怖がらせないように優しく聞いてきた。
「う、うん……。大丈夫だけど……。どうやって治したの……っう、あ、頭が……!」
どうやって治したのかと聞こうとしたら、急に頭が痛くなった。
そして、ある情報が流れる。
「大丈夫だ。必ず君を救う!」
あの男の人が私の願いに対して言ってくれた言葉………。
「この傷は……俺だけの魔力じゃ足りないな……。あの禁忌を使うしかないか……。」
そして、あの男の人が禁忌を犯してまで私を救ってくれた……。
「誰かに愛されたかったのなら、俺が君を愛するよ!!だから生きてくれっ!!君はここで死ぬべき人じゃないっ!!」
そして、朝まで私を励まして、看病してくれた……。
「ーーい……!おーい?大丈夫かい?」
気づいた時には彼は私の顔を近くで見ていた。
「うん……大丈夫…。私を助けてくれたんでしょ……。ありがと(愛してる)……。」
正直、なんでアレが見えたのかは分からない。けど、彼は私を救ってくれて、私を愛してくれた。
1人の人間として。
だから、私はこの人を愛する。
私は彼のモノ。だから彼は私のモノ。
絶対に……離さないから♡
そして彼は、
「確かに、もう大丈夫そうだね。それじゃあ街まで送るよ。」
と言って、私の手を握って歩き始めた。
終始、私に対して色んなことを聞いてくれたりしたが、私は彼を見るのが恥ずかしくて顔を背けてただ頷いただけだった。
そして、街まで着いた時、
彼はいなかった。
どこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこどこ?
私を愛してくれるって言ったのに……。
と、思っていると、ある紙切れがあった。
そこには、
「ごめん、俺は仕事があるから君のところにいられない。見たところ君は、親がいないんだろう……。だからこの紙切れについてるカードを傭兵ギルドの受付の人に見せて欲しい。そうすれば君はもう何も気にしなくていい。君の人生はこれからだ。
重ねて言うよ、本当にごめん。
君の
クロヤ・フォード 」
「そういうこと……。クロヤさんは私に花嫁修行をしてこいってことか……。(違う)分かったよ……。私、クロヤさんの理想の嫁になってみせるから……!」
そして、私は傭兵ギルドへと向かった。
★☆☆☆
(2年後、クロヤ視点)
クレーナ・ラミィ………この子どこかで見たような気が……。
カラスの濡れ羽のように黒い髪に、深淵を見ているような黒目、そして美しいよりも可愛らしい顔と、程よく成長した胸。
どこかで見たような………?
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